文=山本寿美子(高26期)

昔、毎年11月18日は起業祭で、八幡東区の学校は休みだったと思う。今考えると企業の創業記念日に、公立の学校が休みというのは不思議な気がする。八幡製鉄が官営だったからだろうか?それとも、八幡製鉄の企業城下町だから?高校は半ドンだったという人もいるが定かではない。現在は「まつり起業祭八幡」として11月3日前後に行われているという。

本部総会の前日、その本拠地である中央町の「大谷会館」に、各地区誠鏡会役員会議後の懇親会で行った。昭和2年に八幡製鉄所の職工専用(のちに従業員専用)クラブとして建てられた建物はレトロ感満載で、アーチ形のドアや窓、ゆったりとした階段、高い天井などモダンな作りは当時最先端だったというのも頷ける。今見ても贅沢な空間が広がっていた。外壁には八幡製鉄の鉱滓(こうさい)レンガが使われているという。

本部総会後は、各期の同窓会がここで行われるようで、翌日の予定に八幡高校○○期同窓会という案内板がずらりと並んでいた。

大谷会館は地域活性化に役立つとして「近代化産業遺産」に認定されている。
それに一役かっているのは、八幡高校かもしれない。

関東誠鏡会 事務局長 高26期 山本寿美子