インターネットラジオ パーソナリティ 
広瀬祐子さん(高34期)


Profile広瀬祐子(ひろせゆうこ)さん

1982年 八幡高校卒業(高34期)
1983年 日鐵電設工業株式会社に入社
1990年 住友生命保険相互会社に入社
2006年 アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー(現 メットライフ生命保険株式会社)に入社
2012年 株式会社ダイヤモンドデザイナーズに入社
2016年 インターネットラジオ局「ゆめのたね放送局」において自らパーソナリティをつとめる番組「I Love YOU」をスタート

高校卒業後、専門学校を経て日鐵電設工業(株)に入社。その後、関西~関東へと移り、1990年からは保険のセールスとして現在に至る。仕事の傍ら2016年からインターネットラジオ局「ゆめのたね放送局」に自らの番組「I Love YOU」の放送開始。Yuchinの名前でパーソナリティをつとめ、毎週ゲストを招いてその人生や仕事などについて楽しく紹介をしている。花尾中学出身。


東京千代田区秋葉原にあるアートセンター3331 Arts Chiyoda。以前は中学校だったというちょっと変わった施設の中にインターネットラジオ局「ゆめのたね放送局」のスタジオがあります。
だんだん秋らしくなってきた9月下旬の夜、Yuchinこと広瀬祐子さんに番組の収録の直前にお話をうかがってきました。

音楽と演劇にあけくれた高校時代

広瀬さんとは(筆者は)同じクラスでしたが、ほとんど話をしたことがなかったですね。振り返ってみてどんな高校生活でした?

高校時代はとても忙しくしていました。新日鐵ハニーハワイアンズというセミプロバンドに入ってボーカルをやってました。中学生のときに中央町でカラオケコンテストがあって、友達3人でキャンディーズを歌ったところ準優勝。その場にいたハニーハワイアンズのバンドマスターにスカウトされたんです。おもしろそうだなと気軽に始めたところ、これがとても大変でした。練習もとっても厳しくて、バンドが手配したタクシーが高校の前で待っていて、それに飛び乗って練習に向かってました。起業祭では毎年ステージで歌っていました。みんなが起業祭デートをドキドキワクワク楽しんでいる姿を横目で見ながら羨ましく思っていたものでした(笑)。また、夏は毎週土曜に中央町のレインボープラザのビアガーデンでステージに立っていました。今から思うとご当地アイドルの走りみたいな(笑)・・・でも、高校生にビアガーデンで歌わせるなんて良くないですよね(笑)。
あと演劇部にも入って、これも一所懸命にやってました。2年生の時には全国大会にも出場できました。今でも演劇部の仲間とは連絡をとって親しくつきあっています。


バンド活動は知りませんでした!驚きです。では高校を卒業してからこれまでの経緯について教えていただけますか?

高校を卒業してから専門学校に入り、そして新日鐵グループの会社に就職しました。3年ほどして関西に移り、今度はイベント企画の営業会社に入りました。時はバブル絶頂の時代です。会社は儲かっていましたし、私もとても忙しかったけどお給料も歩合制で、とても充実していました。その後、結婚。ようやく悠々自適な専業主婦になれたかと思いきや、バブルがはじけて段々と景気も悪くなってきて働かなくてはならなくなりました。子供も生まれて、子育てしながら働くことも考えて生命保険会社に入社しました。結局それから25年間も保険の営業をしていることになります。始めたときは予想もしていませんでしたが、結構自分に向いている仕事を選んだなと思っています。


人の仕事、人生に触れることで変わった自らの意識

ところでラジオパーソナリティになられた理由はなんでしょうか?

これはやはり今の保険の仕事と密接に関わりがあります。私は仕事を通じて数え切れないほど多くの人と出会ってきました。個人向けの保険営業をしていると、お客様のお仕事の内容を深く知ったり、時としてその方の人生そのもののお話に触れることもあります。当たり前ですが、人それぞれにそれぞれの人生がある・・・表面的なお付き合いだけでは決してわからないような深いお話や、聞いていてわくわくするような興味深いお話を聞く機会も増えてきました。また、数年前、私が個人的にとても辛いときがあったんですが、そのときはお客様の方が心配してくれて、励ましてくれたりして、それがとても励みになったりもしました。こんな風に仕事を通じて段々と世の中には素敵な人がとっても多いんだということを感じるようになってきました。
そしてこれまで出会った素晴らしい方、特に頑張っている方に対してなにか自分に応援できることはないかと考えていたときに、インターネットラジオ「ゆめのたね放送局」の存在を知ったんです。


インターネットラジオというのはあまり耳慣れませんよね?

そうですよね。まだまだ一般的に知られてはいないかも知れません。文字通り電波でなくインターネットでの番組配信をしています。ですからインターネット環境さえあれば世界中どこでもPCやスマホを通じて無料で放送を聞くことができます。また、通常のメディアは運営するために広告収入を用いますが、この放送局の特徴はパーソナリティ自身が会費を払って運営することで一切広告を使っていません。ですからスポンサーなどに気を遣う必要なく、自分が作りたい番組を作ることが容易になっています。ご自身の仕事のPRでやってらっしゃる方や、趣味でやってらっしゃる方などさまざまです。私自身は趣味の延長というか、部活のような感覚でやっています。
そのほか最低限の技術や知識も必要になりますからパーソナリティ養成講座を受ける必要があります。私も大阪に通って数回研修を受けました。


取材日のゲスト「朝陽を浴びる会」主宰の照屋亜樹子さんと。

「知ること」と「伝えること」の違い

広瀬さんの番組「I Love YOU」について教えていただけますか?

いろんな世界で頑張っていらっしゃる方々をお招きして、お話をお聞きするというスタイルの番組です。番組を始めて1年ほど経ちました。最初は自分が出会ったお客様を紹介できればと思ってましたが、段々と人から紹介されたり自ら出演を希望される方も増えてきました。
どのようなケースでも、できる限りゲストの方の魅力が伝わるように努力していますが、やはり「自分が知ること」と「人に伝えること」の違いはありますよね。とても魅力的な人なのに、自分が聞き出しきれていないことでその魅力が伝わらないということもあります。また、自分自身がすごく興味があって聞いているときと今ひとつピンと来ていないときとでは、後で聴き返すと明らかに差を感じたり・・・。そんな時はまだまだ未熟だなぁと真剣に落ち込んだりしますね。でも一方でうまくゲストの魅力を引き出せたなって実感できたときの喜びはとても大きいものがあります。

限られた時間の中で、人の魅力を引き出して、それを伝えるのは簡単なことではないですよね。なにかコツがあれば教えてください。

基本的に私が魅力的だなぁと思う方にお声がけをしていますが、相手から依頼された場合でも事前にヒアリングをして、その方がやってらっしゃる事で私が興味を持ったところにフォーカスして掘り下げて聞くようにしています。1回の放送が30分と時間も限られていますので、話を広げるよりもポイントを絞って深く聞き出すようにしています。また事前にNGワードや聞いてほしくないところなどを確認して、相手が嫌なことには触れないようにしていますね。幸いなことに今まで来ていただいたゲストの方は「なんでも聞いて!」という方ばかりでした(笑)。
でも本当に大切なことは、自分が向き合う人に興味を持つこと、その人を好きになること・・・これに尽きるように思えます。口で言うほど簡単なことではないですが、一年間番組をやってみて実感していることです。おかげさまでゲストの方からも聞きだし方が上手だと褒めていただくことも増えてきましたが、それはテクニックではなく、素直な気持ちでお話を聞いているとどんどん興味が湧いてくるし、もっと詳しく聞きたいと思えてくるんです。リスナーにも少しでもゲストの魅力が伝わるように、毎回意識して試行錯誤しています。


保険の営業をしながらの番組収録も大変ですね。

はい、自分とゲスト、そしてスタジオのスケジュール調整は本当に大変です。当然のことですが仕事が第一ですので、収録はどうしても平日の夜か土日になってしまいますね。時にはまとめて数本分を収録したりしています。でもやっぱり好きでやっていることですから、それほど苦にはなっていません。


ゲストの照屋さんと番組スタッフの皆さんといっしょに。

その人の人生を伝えることで自分の人生にも役立つ

仕事とは別に趣味を持つ方はたくさんいらっしゃいますし、仕事以外に人脈を広げて人生を豊かにされている方も少なくないと思います。でも広瀬さんのようにあえて「人の魅力を伝える」ことってなかなかできないことのように思えます。

たしかに単なるおせっかいやきかも知れませんね(笑)。でも一般的に名前を知られていなくても何かに全力で取り組んでいる魅力的な人って実はすごく多くて、そういう人たちとたくさん会うこと、その人を知ること、そしてその魅力を第三者に伝えることで、自分自身にとってすごく勉強になるし、結果的に自分の人生にとって役に立っていると思えるんです。特に実感することですが、本当に頭のいい人って難しいことを簡単な言葉で説明することが得意ですよね。先入観だけだと難しくてよくわからない世界の話でも、直接お会いして話を聞くと自分自身も興味が湧いてきて、その方の講演会や活動に自分も参加してみたりしています。

最後に同窓生に皆さんにメッセージをお願いします。

私自身、忙しくてそんなに手伝えなかったけど、当番期を経験して八高の同級生と再び出会って、一緒に総会に取り組んだりしたことも自分にとって貴重な経験になりました。当番期が終わったあとも何かあるたびにみんなで集まったりして、そんなときにやっぱり人って素敵だなって思えるし、これからも八高の絆を大切にしていきたいと思っています。
便利な世の中になって必要な情報は簡単に手に入る時代ですが、人の魅力って、やはり向かい合って話を聞くことで初めて伝わるものだと思います。ですからこれからもっともっと多くの人と出会っていきたいと思いますし、微力ながらも皆さんに興味を持って貰えるような発信を続けていきたいと思います。
また、皆さんの中でラジオパーソナリティをやってみたい、何か発信していきたいと思っていらっしゃる方がいれば是非ご連絡ください!ご紹介いたします。


お忙しいところ、ありがとうございました!



【編集後記】

    • 広瀬さんの番組「I Love YOU」は日曜朝9時より東日本チャンネルで放送中です。是非お聴きください。
    • 仕事に番組の収録にと、とにかく忙しい毎日を送っている広瀬さん。取材でお会いしたときには少しお疲れ気味の様子で心配しましたが、いざインタビューが始まると明るい笑顔で張りのある声でてきぱきと話され、さすがだなと関心しました。
    • 広瀬さんの番組を配信しているインターネットラジオ局「ゆめのたね放送局」。東京の他にも大阪、岡山、広島、愛媛にもスタジオがあり、放送も「東日本チャンネル」、「関西チャンネル」、「中四国チャンネル」の三種類に分かれています。
    • その「ゆめのたね放送局」の東京スタジオのある3331 Arts Chiyoda。本文でも紹介したとおり元々は中学校の校舎を活用したギャラリーやカフェ、イベントスペースなどの多目的な施設です。3331の意味は江戸一本締め「シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャン、シャン」なのだとか・・・

 

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