全国仲人連合会 文京駒込支部 支部長
石原扶美子さん(高25期)

Profile石原扶美子(いしはらふみこ)さん

1973年八幡高校卒業(高25期)
1977年梅光女子大学卒業
1988年デザイン関連の雑誌編集を開始
2001年家庭の事情により雑誌編集の仕事を休止
2008年全国仲人連合会文京駒込支部開設

大学卒業後、企業に勤めるが結婚のため1年で退社、しばらくは3人の子育てに専任する。1988年、3人目のお子さんの幼稚園入園を機に、自宅でPCによる雑誌編集の仕事を始める。2001年、ご主人の看病の為、雑誌編集の仕事を休止。2008年、全国仲人連合会文京支部を開設。20代から70代と幅広い年齢層の会員さんを抱え、婚活サポートを行っている

2016年2月某日、文京区駒込にある全国仲人連合会文京駒込支部を訪問。支部長として仲人業を行う石原さんに、昨今の婚活事情と成功する婚活について、お話を伺いました。

第二の人生で選んだ仲人業という仕事

なぜ、仲人をお仕事にされたのですか?

編集の仕事をしていた時から、趣味の範疇で知り合いの方のご縁を取り持っていまして、当時から「自分に向いているかも」と思っていました。主人の看病で仕事をしていない間も、時々縁結びをしていましたし、周辺が落ち着いて改めて働きたいと考えた時、真っ先に思い浮かんだのが仲人業だったんです。最初は個人のままでやっていくことも考えたのですが、個人の場合、「手持ちのカード」が少ないので適正なマッチングがむずかしいことに気づき、まずは組織の中で勉強しようと所属先を探しました。いくつかの組織(結婚相談所)の中で全国仲人連合会に決めたのは、入会金が安く成功してから成婚料をいただくシステムと、支部ごとに比較的自由に活動できる点を気に入ったからです。


「プロ」の仲人になられて何が一番変わりましたか?

以前はボランティアでしたから、最初の頃、お金をいただくことに罪悪感があって、本当にやっていけるのかと悩んだこともありました。ひとつの転機となったのが、結婚が決まった会員さんに「もっと早くここに来れば良かった」と言われたこと。この言葉がきっかけとなり、(趣味の仲人とは違い)全く知らない方に適切なアドバイスできるよう、じっくり話して考えるという経験を積むうちに、だんだん職業意識が芽生えてきました。思いや悩みは自分の中にとどめておくだけでは堂々巡りになるだけですが、口に出して話す事で自分の考えを整理できるし、初めて気付ける深層心理もあるようです。ですから当支部は完全予約制とし、一人一人の声に耳を傾ける努力をしています。とはいえ、まだまだ経験不足だと自分では思っています。ただ、昔から変わらないのは、仲人と会員さんも縁で結ばれているという気持ち。会員さんにはいつも「この人なら自分の婚活を託してもいいと思う仲人さんに会えるまで、いろいろなところ(結婚相談所)を回ってください」と話しています。


現代の大人の婚活事情とは

相手に求める条件は時代と共に変わってきていますか?

変わらないですね。今も昔も、女性は安定を、男性はかわいらしさを求める印象があります。それから最終的に決断するのは男性という考え方も根強い気がします。意外かもしれませんが、どんなに相手の男性を気に入っても女性からプロポーズするケースは未だに稀なんですよ。そういう意味では自分から積極的に進めていく「肉食系」の女性会員はあまりいらっしゃらないですね。男性会員に関しては慎重に物事を進める、いわゆる「草食系」もいらっしゃるので、そこは仲人のサポートが必要ですが。

婚活される方の年齢層について教えてください。

全国仲人連合会の会員は約4万人、下は20代から上は80代と年齢層は非常に幅広いです。85歳の男性と84歳の女性がご成婚されたケースもあります。最初、女性が難色を示されたのですが、健康診断書を見た上でお見合いをしたところすぐにご結婚が決まりました。残り少ない人生を共に過ごす相手と考えるから早く決断できたのかもしれませんが、婚活に年齢は関係ない!と改めて思いましたね。


婚活が成功しやすい人、なかなか決まらない人の”差”って何ですか?

なかなか決まらない人に共通しているのは「条件が多くて、妥協できない」こと。女性なら「収入は○○万円以上」「身長は私より高い」「転勤はイヤ」など、男性なら「性格がよくてかわいくて料理上手」といった条件を譲らない人は厳しいです。せっかく相性がいい人が現れても、「あれが足りない、これが足りない」と結論が出せず失敗するケースが多いですね。逆に「相性がよければ条件はそれほど気にしません」と、お見合いして印象がよければ「交際してみようかな」と素直に身を委ねられる人は成功しやすいです。


これから婚活を始める人へ

相手に求めるべきポイントは?

ズバリ、相性の良さですが・・・。わかりやすく言うと「言葉のキャッチボールができる相手」が相性のいい人だと思います。会員さんにも、「学歴でも収入でも、年齢でもなく、自分が自分らしくいられる相手を探しなさい。それは言葉のキャッチボールができる相手ですよ」と伝えています。私自身の結婚が幸せだったと思えるのは、主人が言葉のキャッチボールができる相手だったから。けっして好みの容姿ではありませんでしたが(笑)、私の投げた言葉に常に誠実に返してくれました。実体験の話をすると説得力があるみたいで、会員さんも納得されることが多いです。


正しい結婚相談所の選び方とは?

料金やシステム、お見合いができる人数は結婚相談所によってかなり違ってきます。よく「○万人の中から自由に選べます」といった広告を見かけますが、個人情報保護の観点からネット検索はできないので、多くの場合は全部の会員の情報を知ることはできません。希望の条件を元にあらかじめセレクトされた数人から選ぶ大手もあるようです。ウチでは、会員情報はすべて紙出力で各仲人が保管し、それをじっくり見て交際してもいいと思う方がいらっしゃる場合に納得のうえで入会していただくので、ほぼ全員(異性)の情報を確認できます。ただ、他で決まらずウチにいらっしゃる方もいれば、ウチで決まらなかったけれど他で決まる方もいらっしゃるので、何がベストとは一概に言えないですね。一番重要なのは、自分の婚活を託せる、信頼できる担当者がいること。もしかしたら、その人を探すことが最初のステップなのかもしれません。


入会から結婚までの流れについて教えてください。

結婚相談所ごとに異なりますが、当会の場合の流れです。

1)
登録会員全員の情報を確認の上、納得の上で入会
2)
必要書類の提出(独身証明書、身上書、保健所の写し、身元保証人、収入証明書(男性のみ))
3)
契約、書類作成
4)
お見合いお申し込み
※お申し込みは何人でも可。ただし、申し込みを受けていただいた方全員とお見合いをすること。
5)
お見合い(ホテルのラウンジ等で当事者二人のみでのお見合い)
6)
交際
お見合い終了後、当事者がお互いの仲人へ交際かお断りかを伝え、双方が交際希望の場合であれば、電話番号の交換

結婚相談所によっては、交際決定したところで手を離すところもあるようですが、私はご成婚までおつきあいします。ただ、成婚までは3ヶ月と見ていて、ずるずると長く交際することはおすすめしません。決断を促すために背中を押す、これも仲人の大切な仕事だと思っています。


最後に同窓生へのメッセージをお願いします。

まずは独身の方へ。幸せへの一歩を踏み出す勇気を持ってください。1度は結婚することをおすすめします。喜びも悲しみも共有できる家族を作るのはいいものですよ。婚活に興味があっても、結婚相談所やお見合いに抵抗のある方がいらっしゃるかもしれませんが、きっかけが違うだけで、二人でひとつずつ積み重ねて努力していくのは同じです。また、これだけは知っておいてほしいと思います。「棚からぼた餅」などはありません。自身の力で勝ち取ってください。ファイト!
ご結婚されている方は、パートナーとの言葉のキャッチボールを忘れずに。


楽しいお話ありがとうございました。


【編集後記】

  • 全国仲人連合会は昭和45年発足の老舗です。全国に1000人程の仲人のネットワークで「きめ細やかで親切なお世話」が信条の良縁組織として高い評価を受けています。インタビューにもありましたが、会員の年齢は20代~80代と幅広く、70代、80代でもご成婚されるとのこと。結婚したい時が適齢期だと実感しました。
  • 実際にお会いした石原さんの印象は、剛胆で頼りになる親戚のおばちゃん(失礼)。初対面とは思えないリラックスした雰囲気の中、取材者・カメラマンとも終始笑いっぱなしで、楽しい取材となりました。
  • 最後に石原さんの剛胆なエピソードをひとつ。
    雑誌編集を始めたころは、デザインも編集もまったくの未経験。しかも当時(1988年)は非常に高価だったMacを、なんと200万円借金して購入し開業されたのだそうです。この行動力!決断力! 一瞬自分の婚活サポートもお願いしちゃおうかしらと思ってしまった取材者でした。




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