「芭蕉通り」や徳川家康が作った運河「小名木川」などの歴史があるこの街は、この4~5年の間に自家焙煎珈琲店が次々とオープンしたことで注目され、「日本のサードウェーブコーヒー(コーヒー業界第三の波)の発信地」と言われています。江戸時代から続く老舗と続々と出来る個性的なお店が共存した「清澄白河」を紹介します。

【案内人】高15期 木原節子さん

30年前に家族の通勤通学に便利なので世田谷から引越してきました。
この辺りは江戸時代に深川と呼ばれた所で、今でも下町の人情が残っています。一方、この30年の間に便利さが増し、若い家族も増え、新旧が混在した魅力ある街になりました。
今回は平節さん(同期の友人)と一緒にご案内します。

おすすめ・その1

池波正太郎も食べた本家深川めし「割烹みや古」

清澄白河駅から少し遠回りをして「広重」や「北斎」の絵に描かれている「万年橋」を渡り、芭蕉庵跡や赤穂浪士が仇討後に引き揚げた道に歴史を感じながら割烹「みや古」に到着。
池波正太郎さんの代表作「鬼平犯科帳」にも登場する「深川めし」。昔は一善めし屋や屋台の代表メニューだったらしく、お店によって作り方は違うそうです。このお店は、薄味のあさりの煮汁でご飯を炊き、炊き上がる寸前にあさりを混ぜてワッパに盛って出来上がり。ランチメニューの「深川めしセット1500円」がお薦め。お吸い物と付き出しが付いてこのお値段は下町ならではです。
11時半にお店に入ったとき、お客さんはまばらだったのですが、出るころには外に行列が出来ていました。さすが、地元の方のお薦めするところですね。

おすすめ・その2

日本庭園とスカイツリー、絶好の撮影ポイント「清澄庭園」

三菱財閥を創業した岩崎家が三代にわたって作った明治の代表的「回遊式林泉庭園」です。この庭の一部は江戸の豪商「紀伊国屋文左衛門の屋敷跡」との言い伝えがあります。
庭園内には、撮影会をしているグループが何組かいました。野鳥は撮影に慣れているのか、まるでポーズを撮っているように動きません。池の端に石を点々と置いた「磯渡り」は歩く度に景観が変化するようにしかけられているのだとか、さすが、東京都指定名勝です。
寒さも忘れ、思わず「中の島」のベンチでくつろいでしまいました。

おすすめ・その3

サードウェーブコーヒーはここから始まった「The Cream of the Crop Coffee」

コーヒーをオーダーすると、一人分ずつ自家焙煎した豆を量り、すぐに挽いてハンドドリップ。手をかけて丁寧に淹れられたコーヒーは「サードウェーブコーヒー」にふさわしく、とても柔らかく温かみのある味わいです。
現代美術館の北側にある「The Cream of the Crop Coffee」は、他の珈琲店「Blue Bottle Coffee Kiyosumi」や「ARiSE COFFEE ROASTERS」「ALLPRESS Espresso」とは少し離れた場所にあります。なぜこの場所を選んだのかお店の方に聞くと「焙煎の機械が置けて、都心に近い広い場所を探していたらここになりました」とのこと。清澄白河ロースタリー(自家焙煎珈琲店)の元祖です。
壁に描かれたブルーのボトルが目印の「Blue Bottle Coffee」は外に行列が出来ていますが、コーヒー豆は並ばずに買えますのでお薦めです。木材倉庫を改装した「ALLPRESS Espresso」はカプチーノなどの種類が豊富です。ここの豆は挽いてもらえますのでミルはなくても大丈夫。

おすすめ・その4

現代美術愛好家がお薦めする、居心地の良い「東京都現代美術館」

20年前に出来た「東京都現代美術館」は、居心地の良いモダンな建物です。半蔵門線や大江戸線などの路線が増えたことで、交通の便が良く、現代美術愛好の人たちが大勢訪れる場所となっています。美術関係の図書室やレストランなどもあり、座り心地の良いソファーで展覧会のパンフを眺めながらゆっくりと過ごすのもいいですね。この日は良く晴れていたので、地下回廊は水が反射してとてもきれいでした。
注:2016年5月30日(月)から、館の大規模改修工事に伴い休館です。

おすすめ・その5

ワイン醸造所併設の人気レストラン「清澄白河 フジマル醸造所」

イタリア人シェフがやっているワイン醸造所は、一瞬倉庫かと見まちがうような場所にあります。2階に上がると手前はレストランで、奥はワインのテイスティングルームです。
午後1時からのワインのテイスティングは1000円で3種類の味が楽しめます。
おつまみに頼んだ「ペスキオーレ」という小桃の酢漬けは「シェフのこだわりおつまみセレクション」の一品です。カリカリとした触感がワインを引き立てる、今回一番のお気に入りです。チーズを載せたお皿もおしゃれですね。
清澄白河の新店舗の一覧のフリーマップ「ROUTE」を入手したことで見つけたのだとか。散策し甲斐のある街です。


【編集後記】

最初に、取材をお願いしたとき「清澄白河のブルーボトルコーヒーはご存知?」と聞かれ、何も知らなかった私。広報委員に聞くと、近年「サードウェーブコーヒー」と騒がれ、「清澄白河」は注目されている場所とのこと。自家焙煎珈琲店をベースにたくさんの個性的な店が並び、一度では紹介しきれないくらい新店が続々と誕生している地域でした。木原さんも歩く度に新しいおしゃれなお店を発見するそうです。
清澄白河のフリーマップ「ROUTE」に「道草」という言葉が出てきます。その言葉がとても似合う街でした。
清澄白河フリーマップ「ROUTE」の記事はこちら
http://koto.keizai.biz/headline/152/

回ったスポットの住所や営業時間やURL

A「割烹みや古」
東京都江東区常盤2-7-1 TEL:03-3633-0385
営業時間【11:30~14:00、16:30~20:00 月曜定休】
http://loco.yahoo.co.jp/place/g-RQU9N1B3hOY/

B「清澄庭園」
東京都江東区清澄3-3-9 TEL:03-3641-5892
営業時間【9:00~17:00 年末・年始(12月29日~1月1日)休】
一般150円 65歳以上70円
http://teien.tokyo-park.or.jp/contents/index033.html

C清澄白河ロースター「The Cream of the Crop Coffee」
東京都江東区白河4-5-4 TEL:03-5809-8523
営業時間【10:00~18:00 月曜定休】
http://c-c-coffee.ne.jp/

D「ARiSE COFFEE ROASTERS」
東京都江東区平野1-13-8 TEL:03-3643-3601
営業時間【9:30~18:00 月曜定休】
http://arisecoffee.jp/

E「Blue Bottle Coffee Kiyosumi」
東京都江東区平野1-4-8 TEL:非公開
営業時間【8:00~19:00 年中無休】
https://bluebottlecoffee.jp/cafes/kiyosumi

F東京ロースタリー&カフェ「ALLPRESS Espresso」
東京都江東区平野3-7-2 TEL:03-5875-9392
営業時間【月~金 8:00~17:00/土日祝 9:00~18:00】
http://jp.allpressespresso.com/ja/

G「東京都現代美術館」
東京都江東区三好4-1-1 TEL:03-5245-4111
営業時間【10:00~18:00 月曜休館(祝日の場合は翌平日)/年末年始・展示替期間は休館】
http://www.mot-art-museum.jp/

H「清澄白河フジマル醸造所」
東京都江東区三好2-5-3 清澄白河フジマル醸造所2F TEL:03-3641-7115
営業時間
 ランチ 11:30~14:00(土・日祝日のみ)
 ディナー 17:00~23:00(月曜定休)
 ワインテイスティング 13:00〜(L.O.21:00)
http://www.papilles.net/winemaking/kiyosumishirakawa/






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