公文式霧が丘教室 指導者 
水野礼美さん(高37期)

Profile水野礼美(みずのあやみ)さん

1985年 八幡高校卒業(高37期)
1989年 宮崎大学農学部卒業
2005年 公文霧が丘教室スタッフを経て指導員に

大学卒業後、安川情報システム株式会社に入社。コンピュータプログラマーとしてキャリアを積み、退職後もフリープログラマーとして活躍したのちに、10年前より公文式のスタッフ・指導者に転身。高校時代は書道部に在籍し部長をつとめた。書道八段。槻田中学出身。

公文1月下旬、横浜市緑区にある公文霧が丘教室を訪問。公文の指導員として数多くの子供たちを指導していらっしゃる水野さんに、お仕事の内容や「伸びる子」たちの特徴、さらには「子供を集中させるコツ」などを教えて頂きました。

生徒の母親から指導者へ。

なぜこの仕事を選んだのですか?

実は私の娘が小学校2年生の頃から生徒としてこの教室に通っていたんです。ある日、親として先生と面談をしている際に突然「水野さん、一緒にやりませんか?」と誘われてしまって・・・(笑)
そこからスタッフとして働くようになり、のちにその先生が体調を崩されたのでそのまま指導者、つまり自分が先生と言われるような立場になってしまいました。

現在の仕事の内容について教えてください。

公文

公文はいわゆる他の学習塾と違い、先生が直接授業を行なうということはしません。
生徒たちはそれぞれ教材や課題に自主的に取り組むことになっています。私の役割は子供たちが自主的に勉強する習慣が身に付くように促したり、終了後に一人一人の話を聞いたりすることで、学ぶ楽しさを感じてもらえるようにすることです。
今、この霧が丘教室には約60名の生徒さんが通っていますが、この春に幼稚園に入園する子供から高校生までとても幅広いので、全ての子供たちと話せるようそれぞれの世代の旬な話題をつかむだけでも大変です。 たとえば仮面ライダーシリーズも全部把握していますよ(笑)。

とことん子供たちと向き合う。

教室の開かれる日はどんなスケジュールですか?

教室は毎週火曜と金曜、午後2時から夜9時まで開いています。夜9時までと言っても10時過ぎまで残って勉強する子もいるので、私も子供が自分の意思で残っている限りは無理に終わらせずに付き合うようにしています。ですから教室のある日はたいてい深夜12時過ぎに帰宅していますね。それ以外にも教室を開く前日、つまり月曜と木曜は準備に追われていますし、また毎週水曜には指導者対象の研修が本部であるので、平日はずっと仕事です。

平日の二日間、午後だけと聞いていたのですが、想像以上に大変なお仕事ですね。

そうですね。でも、すごくやりがいのある仕事です。特に「できなかったこと」が「できるようになった」瞬間を見られることが一番うれしい。子供の表情がほんの一瞬で大きく変わるんです。目がキラキラ輝くような素敵な表情を見せてくれて・・・本当にこの仕事を選んでよかったと思える瞬間ですね。
また帰り際には、子供たちがその日の嬉しかったことや学校のこと、TVのことなど、いろんな話をしてくれます。それも楽しみです。

わが子を伸びる子にさせるコツは?

数多くのお子さんと接していらっしゃる水野さん、「伸びる子」の特徴をぜひ教えて下さい。

一見では絶対にわかりません。優秀だなと思っていた子が急に伸び悩んだり、逆の例もすごく多い。子供は突然変わるんです。だからこそ固定概念で大人が決めつけをしないこと・・・これが一番大切だと思っています。
でも付き合ってみると伸びる子に共通する特徴はあります。それまでどんなに騒いでいても、5分でも10分でも・・・ほんの短い時間でもいいので、周囲が聞こえなくなるほど集中できる子は、やはり伸びてますね。

では、その子供を集中させるコツを教えてください。

公文

こっちが知りたいです!(笑)
なかなかうまくいきませんよ。生徒さん一人一人を把握して、それぞれに合わせて試行錯誤しています。
私はとにかく褒めることを大切にしていますね。そして時にはガツンと厳しく。バランスが大切だと思っています。勉強の前にその子の好きな話題で集中させ、そこから他に意識が飛ばないうちに問題を解かせると、短時間でできたということがその子の成功体験となって、それ以降は集中力が身に付いたりします。
大切なのは一人一人と真剣に向き合うこと、そして小さな成功体験を何度も繰り返させることだと考えています。すると子供の集中力は驚くほど増してきます。

生徒さんの親のタイプによって、違いはありますか?

公文

そうですね、傾向はあります。理想は、自分の子供がやっていることや取り組んでいることを把握したうえで、子供の主体性を信じて見守っているタイプの親御さんです。そういうところのお子さんはやはり伸びていくことが多い。
こう言うと当たり前のように聞こえますが、言うは易しでなかなかいないですよ(笑)。
よくあるのは、親が熱心になり過ぎて子供に対して神経質に勉強をさせているケース。子供の主体性が育ちにくく、親の見ていないところでは集中できないことが多いですね。かといって自分の子供が何をやっているのか全く無関心な親御さんというのも、やはり良くありません。とにかく日々試行錯誤の繰り返しでやっています。
親御さんとは毎週の連絡メモや面談などを通して、安心して子供を通わせていただけるような気配りをしています。最近では親御さんから暖かいお手紙をもらうことも多くなり、とても励みになっています。

家に戻れば受験生の母、 そして今年の関東誠鏡会総会では・・・

水野さんのお子様も受験生と聞きました。

そうです。大学受験生と中学2年の二人の子がおります。でも先ほどお話しした内容は他人の子供だからできるわけでして、自分の子供の指導はやっぱり感情的になってしまうので無理ですね(笑)。むしろ自分が仕事を持って夜遅いので、子供たちには負担をかけたかな?と思っています。でもダメ親だからこそ反面教師として見てくれているようで、子供たちはしっかりしてくれています。食事なども自分たちで作って食べてくれますし、私の仕事も理解してくれていてとても感謝しています。

最後になりますが今年の関東誠鏡会総会・懇親会は高校37期が当番期ですね。

はい!今年は8月29日(土)に明治記念館 富士の間で開催します。交通の便もいいですし、とても歴史のある施設で1000坪もある庭園を含め、ゆったりとした素晴らしい会場です。私は広報を担当しています。4月には総会用のホームページを立ち上げていきますし、6月にはご案内のDMを送らせて頂くなど、今後さまざまなお知らせや当番期の活動内容を会員の皆さまに発信して参りますので楽しみにしていてください。書道部OGということもあり、今年の総会のテーマも毛筆で作成しましたが、今日は会場名のみの披露にしておきます。改めて広報させて頂くまでしばらくお待ちください。当日、大勢の方にご参加頂けますよう、心よりお待ちしております!

本日はお忙しい中、本当にありがとうございました!

【編集後記】

  • ユニークな学習指導法がすっかり定着した公文式。日本以外にもアジア、北南米、ヨーロッパ、中東、アフリカ、オセアニアなど47か国に進出しており、世界中に知られる存在になってきています。
    (※記事の最後に該当ページへのリンクを掲載しています。以下同様。)
  • インタビューにあるように、水野さんが受けもつ生徒さんは幼稚園入園前の幼児から高校生までと驚くほど幅広いですが、ホームページを読むと0歳から社会人まで受け入れているそうです。
  • 今回のインタビューを通じ、水野さん自身がスタッフから指導員として10年間の経験を積まれてきて、単に生徒の成績や学力ではなく、「子供たちの成長」に何よりも大切に取り組んできたことが伝わってきました。




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