~高25期 野中健蔵さんに聞く~


野中さんは同期から「歩る中」と呼ばれています。えっ?アル中?と思わず聞いてしまいました。「歩く中毒」のことだったのです。ウオーキングの達人、高25期 野中健蔵さんにお話を伺いました。

マラソンが流行の中、あえてウオーキング、その魅力は?

インタビューをお願いすると、3月3日は恵比寿から多摩センターまでの40キロを歩きますから雰囲気を見ていただくのに最適ですと、ゴールのパルテノン多摩でお会いすることにしました。早めに行って、ゴールの写真をと思っていたのですが、予定時間より30分も早くゴールされてました。
ウオーキングは手ぶらですると思っていたのですが、リュックを背負ってのウオーキングです。抱えさせてもらったところ7キロか8キロくらいの重さでした。40キロも歩いたと思えないほど、軽やかな笑顔でインタビューに答えて頂きました。

Y:本日の、恵比寿から多摩センターまでの40キロコースのタイムは?
N:8時12分スタートで、ゴールが12時32分です。

Y:4時間20分ですね。普段は40キロを5~6時間とおっしゃっていたので13時から14時くらい着と思っていたのですが。
N:先に着いて待っていたかったので、今日は、ちょっと頑張りました。さすがに最後はバテて、流しましたが。

Y:今日のイベントは、何で知りましたか?
N:東京都の会員なので、会報があってイベントとして、10キロ台は年2回くらい、30キロ台は年2、3回20キロ台は年に4回くらいあります。10数キロが一月に一度くらいです。
Y:1週間又は、1ヶ月にどのくらい歩いてますか?
N:だいたい、毎週このくらい歩いてます。

Y:えっ?毎週?
N:来週の日曜は千葉で47キロ、次の週は埼玉40キロ、次の週は65キロ。最低でも30~40キロ毎週歩いています。

Y:ウォーキングの魅力や楽しみを教えてください。
N:友だちがいっぱい出来たことです。ふれあいが増えました。同じ趣味の仲間とのアフターウオークも楽しみです。

Y:なぜ、マラソンではなくウォーキングなのでしょうか?
N:ウオーキングを始めて6年目です。年も年ですから(現在58歳)、マラソンって心臓とかに負担がかかるので、ウオーキングはそこまではないかなというのが最初のきっかけだったんですが、だんだんハードになって来ました。

Y:タイムを聞くとマラソンの遅い方と変わらないタイムですね。
N:この間、湘南のマラソン大会に交じって歩いてみました。走っていた人と一緒にゴールしました。

Y:普段のトレーニングを教えてください。
N:毎週のイベント参加の他に、気が向いたときにコースを決めてタイムを計ってやってます。自宅近くの荒川の川沿いは1キロ毎に標識があるので、目安があり便利です。40キロとか50キロというのはたいしたことないので、100キロウオーク目指して練習しています。100キロやると病みつきになります。

Y:ウオーキングを始めるには、どうしたら良いですか?
N:楽しむ事が大事です。強いるようなやり方はしないほうがいいと思います。

Y:初心者が、歩くときに注意することはありますか?初心者へのアドバイスをお願いします。
N:できたら東京都とかのウオーキング教室で歩き方の基本を指導を受けたほうがいいと思います。正しい姿勢で歩くことや、体のケアをちゃんと教えてくれるので、お勧めです。きちんとした姿勢で歩くとマメもできないですから。
NPO法人『東京都ウオーキング協会』 http://www.enjoywalking.jp/

Y:そのウオーキング教室は、だれでも参加できるんですか?
N:東京都の場合だと土曜日に日比谷や井の頭公園で、月に2回ほどウオーキング教室を開いています。一回500円です。そういうところから始めるのが一番良いと思います。私もここから始めました。

Y:でも、1ヵ月後には、遠距離歩いたって聞いたんですが・・・。何キロ?
N:42.195キロです。そのときのタイムで7~8時間です。結構大変でした。

Y:早く歩くこつってありますか?
N:早い人と一緒に歩くことです。歩き方を教わるといいですね。体験してみないとわからないので。

Y:お気に入りの歩くコースを教えてください。
N:好きなとこはたくさんあるけど、好きなというより、目標にしているコースは、九州の100キロコースです。10号線をひたすら歩くんですけど。

Y:面白いコースなんですか?
N:面白いコースというより、イベントの中でやる「歩き」は、現実とはかけ離れた世界です。それが面白い。

Y:『行橋~別府100キロウオーク』ですね。これに関して聞いてみたいことがたくさんあります。まず、何時間で完走しましたか?
N:13時間49分です。トップにはなれなかったけど、10位には入りました。
⇒第14回大会 参加者3972名 完歩率72.6% http://100km-walk.jp/

Y:毎年参加ですか?
N:まだ2回目です。1回目のタイムは15時間を切るくらいでした。

Y:100キロウオークのつらかった思い出はありますか?
N:最初に100キロを歩いたのは、震災の3月11日のあとで、名古屋の岡崎でのイベントに参加したときです。
3月の末だったのですが、気温がマイナスになり、こんなにウオーキングって過酷なのかと思いました。

Y:100キロウオークは、だいたい昼の12時出発で、13時間か14時間ということは、午前1時とか2時に着くことになりますね。
N:その岡崎のときは明け方着きました。

Y:真夜中歩くことになるわけですが、行橋から10号線は、暗いのではないですか?
N:別府まで行けば明るいけど、10号線でも車が通るところはいいが、一部山の中に入るところがあります。そこは、街灯も何もなくて超真っ暗です。つくば100キロの場合は、夜になると多くの行程がかなり暗いです。

Y:道はわかるんですか?
N:最初のときは、道がわからなくて迷いました。前のほうを歩いているので、前後に人がいないパターンが多いので、道がわからないと結構つらいです。過去に道を間違えたことは何度かあります。

Y:100キロウオークで記憶に残る風景はありますか?
N:いろいろあるけど、ゴールって劇的な感じがすると思いますが、行橋~別府コースのゴールは、ちゃんと公園にライトがついて演出してくれているんですが、筑波の場合は、田舎でだれもいない真っ暗な中でゴールです。ただ、1位でゴールすると、ギャラリーがたくさんいて迎えてくれます。このギャラリーは、途中でリタイアした人たちが迎えてくれるのです。あこがれの的で見てもらえます。優越感に浸れます。でも、2位になるとそのギャラリーの数が極端に少なくなります。

Y:途中で走りたくなりませんか?
N:走るというのは、ポリシーがぜんぜん違います。

Y:ウオーキングをやっていて、楽しかった思い出を教えてください?
N:日本記録を持っていた競歩の選手と一緒に歩かせて貰ったことですかね。抜かれて、その後追いついて、ゴールまでご一緒させていただいて、いろいろお話させてもらって感動しました。

Y:話は変わりますが、2年前、3月11日の震災のときは、歩いて帰ったのですか?
N:職場の五反田から自宅の葛飾まで歩いて帰りました。ただ歩いてかえるというのもなあ・・・と思い、人形町で働いているかみさんを拾い、長女が南千住で働いているので、その長女を拾って帰りました。

Y:準備とかは何も無かったわけですよね。
N:20キロくらいなので、何もいらないですね。あと都内の道がだいたいわかるので、メイン道路ではなく脇道がわかっているので、問題ないです。メイン道路は、帰宅難民ですごい人だったのですが、一本脇道に入ると空いていて普通に歩けました。

Y:日ごろ、歩いてみることは大切ですね。
N:ぜひ、歩いてみてください。都内は歩くと違う風景が見えてきます。

Y:今後の活動について教えてください。
N:目標は100キロウオークですね。今年は13時間30分台を目指します。

Y:最後に、野中さんにとって八幡高校とは?
N:今、歩けるのは八幡高校の坂道があったからではないかと思います。大蔵校舎や清田の坂道を登ったり降りたりしていたのが今に繫がっている気がします。感謝しています。

Y:同窓生に伝えたいことはありますか?
N:ウオーキングする機会があれば、私でわかることがあれば協力させて頂きたいと思います。ぜひ、ウオーキングやって、いろんな意味でリフレッシュしてください。ウオーキングは幾つになってはじめても遅いことはない。競歩の世界とは違うので、自分たちが楽しんで、周りの人たちと楽しんで和気藹々とやってください。ただ、喋りながら歩くことはなくて、風を感じ、いろいろな音を聞きながら黙々と歩きます。無心です。

後日、あの重いリュックの中身を聞いてみたところ、
『あのリュックは≪魔法のリュック(2代目)≫です。私の夢と記録が詰まった、ウオーキングを楽しませてくれるリュックです。あのリュックのおかげで早く歩くことができるようになったのかも?100キロウオークでは、ちょっと離れて応援してくれています。皆さんに少しでも≪ウオーキングのきっかけ≫が出来たら幸いと思います。』
とおっしゃってました。

『行橋~別府100キロウオーク』の副題が=未知への冒険=となっています。野中さんのお話を聞いて、この副題の意味が少しわかった気がしました。

インタビューご協力ありがとうございました。




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