リーダーシップ・コミュニケーション・コンサルタント
としてご活躍
~佐々木繁範さん(高34期)~

Profile

八幡高校を卒業後、同志社大学経済学部を経て、1987年日本興業銀行に入行。1990年にソニー株式会社に入社。盛田昭夫会長の直属スタッフとして企業外交を補佐、その間にスピーチ・ライティングを学ぶ。1995年から97年までハーバード・ケネディ・スクールに留学、公共経営学修士号を取得。帰国後、2001年まで出井伸之社長の戦略スタッフ兼スピーチ・ライターを務める。
ソニーでは計100本以上のスピーチ・サポートを手がけるとともに、IT戦略会議の議長補佐として、IT国家戦略の策定にも携わる。
その後、数社にて経営改革に携わり、2009年に経営コンサルタントとして独立。リーダーシップとコミュニケーションを専門とし、経営者やリーダーの組織求心力と影響力の向上を実現するためのメッセージ発信を支援している。

リーダーシップ・コミュニケーション・コンサルタントとして、企業トップへのコンサルティングから、執筆、講演活動と大忙しの佐々木繁範さんにインタビューしました。


佐々木さんは高校時代はバレー部でしたね?八高時代の思い出を語っていただけますか?

そうですね。高校時代はまったく勉強はできませんでした(笑)。中学では3年の夏ごろにバレー部に入ったんです。つまり引退間際に始めてしまったので、高校ではとにかくすぐに入部しようと決めていました。それで八高の入学式当日に入部しました。それからの3年間はとにかく練習に明け暮れていました。一方で成績はいつも最下位に近かったです。そんな状況を見かねたんでしょうか、2年のときの担任の先生が朝5時ころ私の自宅に立ち寄って、個人的に勉強を教えてくれたことが何回もありました。
今思えば、その時の先生のエネルギー、情熱って凄かったです。卒業してからより一層感謝の気持ちが強くなってきています。そのことが高校時代の一番の思い出です。今、さまざまな方と一緒に仕事をしていますが、その時の感謝の気持ちを思い出しながら取り組むことにしています。

もうひとつの思い出は、1年、2年と男子クラスで、女子生徒との交流がありませんでした。昼休みになると女子生徒が男子クラスの教室の前を通って食堂に向かうんですが、自分が好きな女子生徒が通るたびにその歩く速さに合わせて、廊下側の窓を一枚一枚開けて見つめていたこと・・・
高校時代というと、このことを必ず思い出します(笑)。


リーダーシップ・コミュニケーション・コンサルタントって、ありそうで、あまりない種類のコンサルタントですよね。

正直、どニッチの世界です(笑)。でも一見狭い世界ですが奥行きがある。そして、その専門性ゆえに、さまざまな方からお声掛けを頂くようになってきました。


なぜ、このような仕事を選んだのですか?

話せば長くなりますが、会社に勤めていた時代から、いつかは名刺の肩書きではなく、 自分自身、つまり「佐々木繁範」がブランドとなって、世の中の役に立つような仕事をしてみたいと思っていました。ただ、当時は何をすべきなのかも全くわかっていなかった。ただ焦るばかりで・・・

やはり転機はソニーに入ってからです。盛田会長、出井社長という経営トップをサポートする仕事をしたり、ハーバード・ケネディ・スクールに留学し、世界のトップを知るようになり、トップが発信するメッセージの重要性を強く感じたことでした。
ロジックの構築などは世の中で語る人が多いですが、自らの思いを発信していくことの重要性を伝える人はあまりいなかった。自分が仕事や留学の経験を通じて得た真実を持って、きっと世の中の役に立てると確信しました。



元上司であり、恩師でもある出井伸之さんと


その思いが著作「スピーチの教科書」を生んだのですね。

そうです。最初はなかなか筆が進みませんでしたし、自分で読み返しても全然面白くなかった。やはり常識的なこと、無難なことを選んでたんですね。途中で大きく方向転換をして、不安はあったけど勇気を振り絞って自分自身の経験に基づいた思い、いわば主観を素直に発信していこうとしたら、どんどん書けるようになってきました。

おかげ様で大勢の方に読んで頂き感謝しております。秋からはオーディオブックとしては配信してもらっています。NHKアナウンサーだった田代美歩さんをはじめ、最高のナレーションでお届けしています。11月月初には週刊ランキングで、全書籍中なんと総合1位になりました。あの半沢直樹を抑えての1位ですから、これは自慢です(笑)。


「思いが伝わる、心が動く スピーチの教科書」
佐々木繁範著(ダイヤモンド社)http://amzn.to/1iUNdeb


今の仕事で大切にしていることは?

何よりも大切なことは、「勇気を持って思いを語ること」です。一般論を語ったり、いわゆる外れないことを言うほうが危険は少ないですが、やはり人が感動してくれるのは自分自身の体験を通じて学んだこと、感じたこと、つまりその人の思いなんです。
  よくリーダーシップというと企業の経営者をイメージすると思うのですが、そんなことはなく、PTAでも町内会でも、ボーイスカウトでも、志を持って自分自身と仲間を高めていきたいと思っている人は数多くいるはず。そういう人たちを少しでも応援したいという思いをいつも持っています。そして、著書や講演でもそのことを語っていますが、何よりも自分自身に言い聞かせている言葉でもあります。


昨年、八高卒業生を対象とした特別セミナーで講師を勤めて頂きましたね。そこでは高校12期から62期までと50年隔てた世代が集まりました。

本当に感謝しています。まだ本を出したばかりで、知名度も高くない自分を同じ高校を出たというつながりだけで、大勢の同窓生に応援して頂いたことが本当に嬉しかった。自分は忙しさにかまけてあまりお役に立てていませんが、関東誠鏡会があるおかげでさまざまな世代と知り合え、何よりも故郷を遠く離れた関東で大勢の仲間と再び会えることがどれだけ心強いことかを実感しました。


2012年、八高生特別セミナーにて

最後に関東誠鏡会のみなさんへメッセージを

篠原会長をはじめ、関東誠鏡会の役員の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。さきほども申しましたが、多くの先輩方が作り育ててきて頂いた関東誠鏡会は故郷を離れても必ず戻ってくることのできる、船でいえば航海を繰り返しながらも戻ってくることができるドックのような場所だと思っています。

一方、まだまだ外に向かって自身の世界を広げていっている若い世代の人たちには、同窓会の組織ってピンと来ないかも知れません。でも単なるノスタルジーだけでなく新たな友達、仲間をつくることができるこの組織を前向きにおおいに活用して頂きたいと思います。
そして、もし私がお役に立てることがあれば仕事に限らず遠慮なくご連絡下さい。

本日はありがとうございました。


コンサルティングだけでなく、講演、執筆に大忙しの佐々木さん、今回も広島での講演を終えて立川でのセミナーに向かう途中でのインタビューでした。自宅でも事務所でもカフェでも、どこでも仕事ができるという佐々木さんですが、家族との時間をもう少し増やすことが今の課題だとおっしゃってました。
また、現在四週にわたってハーバード・ビジネス・レビューにも連載中です。とてもわかりやすい内容です。こちらもぜひお読み下さい。




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