昨年12月に北九州市民文化賞を受けられた、津村禮次郎先輩の受賞記念祝賀会が、2月3日(金)新橋亭にて行われました。

昨年の関東誠鏡会総会の幹事を担当させて頂きました私達高33期が、僭越ながら祝賀会のご報告をさせていただきます。

54名の方々が集まり、祝賀会は松本理事(29期)の司会で始まりました。まずは会主である藤城会長より、『関東誠鏡会は松永怜一先輩(3期)に続き、津村さんの受賞でまさに文武両道』と喜びのご挨拶の後、津村先輩が和装のいでたちで登場されました。

講演はお能の歴史から始まりました。とてもありがたいご講義も私の能力ではついていけず、ただただ響き渡る津村先輩の艶のある声に浸る幸せなときを過ごしました。

怪しげな記憶をたどり一部ご紹介します。
お能の「能」という文字は、芸能という言葉と同じ使い方であることや、宮廷の雅楽、それに対しての武家の式楽。世阿弥の誕生以来歴史のあるお能は、式楽から変化し、能楽として確立したのは以外にも明治時代。
公家だった岩倉具視がヨーロッパのオペラに匹敵するものとして、歌舞伎ではなくて、お能を推奨したというお話です。
その当時、作った能楽社の舞台が靖国神社の境内に現存しているそうです。
そのような話を聞くと一度行ってみようと思います。

話は進み『高砂』のご紹介。高砂の松と住吉の松は相生の松、離れていても仲睦まじくお互いを支えあう。なるほどと思いながらも、現実はまだまだ程遠いと感じます。
最後に『高砂』を小野幸子様との共演で謡っていただき、満場の拍手喝采のうちに講演は終了しました。

素晴しい唄の余韻の中、乾杯に変わります。
ご発声は麻生前会長。裏話を交え観世流の素晴しさ、文化の重要性が語られ乾杯です。懇親会が始まり少しの時間、歓談です。この間も津村先輩はご挨拶や写真撮影で大忙し、ゆっくりと座る暇もありません。
私たちのテーブルにもお越しいただき、素敵な名刺を頂き、ツーショットで写真を撮らせて頂きました。

中盤、ご出席の方々からご祝辞をいただきます。上野先輩(5期)、三浦様(戸畑中央)、小野様(福岡中央)、林様(小倉商業)、鬼塚様(小倉)、お喜びの言葉が続きます。懇親会も終わりが近づき、関東誠鏡会より事務局次長の山本先輩(26期)から花束、川口先輩(12期)から記念品が贈呈されました。津村先輩からはご返礼の舞が披露され感激がさらに高まりました。

会の締めは今年関東誠鏡会総会幹事の34期です。
世阿弥の600年後輩、三橋さんから今年の関東誠鏡会は9月8日(土)に決定したことが告知され意気込みが伝えられました。
最後に校歌を全員で歌いお開き、楽しい時間が終わりました。

拙い文面で会の素晴しさをお伝えすることが出来ませんが、会場で感じた空気は凄いものがありました。一度は舞台を拝見したいと思います。津村先輩、受賞おめでとうございます。いつまでもお元気でご活躍される事をお祈りしております。

高33期 井上徳芳 松尾美記

★広報より★

祝賀会写真 
http://30d.jp/kantoseikyo/12

『高砂』と『舞』は、一見の価値があります。
動画がありますので、感動をもう一度味わいたい参加された方も、ぜひ、ごらんください。
https://picasaweb.google.com/104389066302008911200/JUTxQJ?authkey=Gv1sRgCN6Pv4C02szp2gE&feat=email#5706922016376899186

また、津村さんご自身から、僕のことが載っているからと教えていただいたサイトの記事には、津村さんが師匠の元から家出したこととか、「能を創れ」「能は創れ」と言われた話しやバレエダンサーとの共演での息があっていく様子など、興味深い内容ばかりでした。
受賞記念祝賀会に出席された方もそうでない方も、ぜひご覧になってみてください。
津村さんの人柄や津村禮次郎さんの芸術が見えてくると思います。

ご紹介いただいたサイトのURLです。
http://www.kk-video.co.jp/special_features/cover_story_21/index.html

【公演情報】
「藪の中」 (詳細は下記URL参照)
2012年3月8日~11日 渋谷 セルリアンタワー 能楽堂
http://www.a-tanz.com/cerulean4.html