今月の”知っとぉ”は、今年の9月26日に開通から60年(還暦)を迎えた「若戸大橋」を特集します。
筆者は若松出身なので若戸大橋には思い入れがあります。部活や遊びで遅くなって最終の渡船がなくなっても、当時は歩いて渡れる若戸大橋でした。友達と若戸大橋を歩いた事、毎日の通学、小倉や戸畑へ行ったいろいろな思い出があります。


国の重要文化財になった「若戸大橋」

そんな「若戸大橋」は、令和4年2月9日に国の重要文化財(建造物)に指定されました。我が国の長大吊橋の技術的原点として、歴史的、技術史的見地から重要であるとの評価を受けました。文化審議会が評価したのは橋の設計技術です。コンピューターがなかった時代、光の屈折を利用して橋のひずみを計測し、強風に耐えられるケーブルを設計するなど、我が国の研究の粋を結集した橋だったという事です。また、若戸大橋のライトアップは、令和4年2月9日「日本夜景遺産」のライトアップ夜景遺産としても認定されました。


「若戸大橋」日本夜景遺産に認定
http://www.yakei-isan.jp/spot/detail.php?id=268

「若戸大橋」夜景の動画-ぐるりっち北九州-
https://youtu.be/quG0k5M4tMo


60年前の開通式は大変な賑わい


「若戸大橋」は1962年9月26日に開通しました。橋の頂上にあたる主塔の高さは78.9メートルで 大型船舶も橋の下を通れるよう設計されました。当時「東洋一の夢の吊橋」と呼ばれ、橋の工事は若松側と戸畑側の両方から橋をかけてゆき、最後に中央でつなぐ手法でした。橋の振動実験には36台のトラックを使用したそうです。工期は3年間、51億円の工費をかけて開通となり、9月27日午前0時からこれまでの渡船のみの移動から”時代が変わる日”となりました。約700台の車が連なった開通パレード、周辺は海岸まで人であふれ、上空は数十機のヘリコプターが飛び、今ならばブルーインパルスにあたる”自衛隊航空編隊”の祝賀飛行、消防放水船や自衛隊艦船が連なる祝賀航行と東洋一の吊り橋の完成がどれほどビックイベントであったか映像から伝わってきます。



KBCラジオ 若戸大橋開通の映像


若戸大橋のパンフレット
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000998579.pdf

若戸大橋の年表
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000982773.pdf

赤い橋の由来は?
「若戸大橋」の呼び名は34,000通の応募者の中から選ばれました。橋の色は、若戸審美委員会によって赤色に決められたそうです。 赤は「威厳を示すため」とされ、エネルギー・情熱・使命を象徴する色であること。錆止めに赤色が含まれていることに加え、橋や神社の後ろは自然が多く、森の色や空・海の色に対して、より美しく映えるために赤を使用しているという理由もありました。この赤色はサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジとほぼ同じ色ともいわれますが。筆者の目には若戸大橋の方が鮮やかな赤なので、違った印象に見えます。

歩道もなくなって、若戸大橋も若戸トンネルも今は無料になりました


若戸大橋には1987年まで人や自転車が通れる歩道、展望台やエレベーターがありました。渋滞対策のため歩道や展望台、エレベーターは撤去され、4車線の拡幅工事を行い都市高速道路と直結。1990年に現在の車両専用橋が完成しています。2012年には海底トンネル「若戸トンネル」も開通。若戸大橋と若戸トンネルの通行料は2018年12月から無料となりました。



若戸大橋「360度バーチャルツアー」



若戸大橋60周年記念の「天心」「無法松」が限定販売​


北九州市若松区の酒類卸会社「倉松酒販」より、赤いつり橋「若戸大橋」60周年を記念して特製の陶器ボトルに「天心」「無法松」を詰め込んだ記念酒が限定発売されています。イラストは若松高校の美術部の生徒さんが担当されているそうです。

井筒屋オンライン
https://www.izutsuya-online.co.jp/front/commodity/0000/KBS000068/




国重要文化財指定記念、若戸大橋ウォーキングも開催​


この10月23日には、「北九州市の誇りが日本の誇りに、みんなで祝おう、歩こう若戸大橋」として、9年ぶりに若戸大橋ウォーキングも開催されました。8,000人の市民で若戸大橋を歩いて渡るイベントのほか、各地で若戸大橋にちなんだイベントが開催されています。

若戸大橋ウォーキング
https://wakatowalking.com/

若戸大橋周辺はレトロな街並みが残り、歴史的な建造物やフォトスポットが連なります。若松側にはクロワッサンで有名な「三日月」や最近は戸畑はスイーツの街ともいわれるそうです。「ダグリダのカヌレ」や蒸し麺の戸畑ちゃんぽんなど、帰省の際には潮風と港町情緒を感じながらの散策を楽しむのはいかがでしょう。



<参考情報URL>
ぐるりっち「若戸大橋散策」特設ページ
https://www.gururich-kitaq.com/wakato-bridge

TRIPTRIP北九州「若戸大橋~戸畑編」
https://youtu.be/hwR-48QeeJM





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