住んでいるから知っている、ホントにいい場所、いいお店。
今回ご紹介するのは、栃木県の県庁所在地・宇都宮市です。宇都宮は、二荒山神社の門前町、宇都宮城の城下町として発展してきた歴史ある街として知られています。一方で近年は、「これからを楽しむ人のまち」をキャッチコピーに掲げ、街の未来を見据えた取り組みが進められています。JR宇都宮駅東口地区の再開発 “まちびらき”、次世代型路面電車システム「ライトライン(LRT)」の開業、プロスポーツチームの誘致などはその象徴的な例です。さらに、東京圏通勤・通学支援補助金や移住支援金の支給など、移住・定住促進にも積極的に力を入れています。
今回は、そんな「進化する宇都宮市」の魅力を、高34期同窓生の一木さんに案内していただきました。家族みんながワクワクでき、未来に向けて生まれ変わる街・宇都宮を歩きます。



【案内人】高34期 一木誠さん

宇都宮に住み始めたきっかけは、1992年に栃木の事業所へ転勤になったことでした。約12年の栃木生活の後、再び東京へ転属となり、さいたまの浦和で暮らしていましたが、2019年に再び宇都宮に戻りました。かれこれ20年宇都宮で暮らしています。現在は、平日は東京で仕事、休日は北関東の山々を中心に趣味の登山と温泉めぐりを楽しみにしています。栃木百名山も完登しました!

おすすめ:その1
街の進化の象徴 ライトライン

宇都宮の「今」を象徴する存在が、2023年に開業した宇都宮ライトレール、通称ライトライン(LRT)です。JR宇都宮駅東口から芳賀町・高根沢町の工業団地までを結ぶ全長14.6kmの路線で、日本国内の路面電車としては、富山市の万葉線以来、実に75年ぶりの新規開業となりました。
流線型のスタイリッシュな車体と、鮮やかな黄色のデザインが印象的です。宇都宮は雷が多いことから「雷都(らいと)」とも呼ばれており、その雷をモチーフにしたデザインだそうです。「雷都を未来へ」というコンセプトのもと、LRTが人や街に新たな交流と活力をもたらす存在になることが込められています。車内はとても静かで揺れも少なく、座席の座り心地も良好。大きな窓からは、のどかな田園風景や鬼怒川の流れ、天気が良い日には遠く男体山まで望めます。最先端の交通システムも導入されており、運賃はICカード決済が基本。乗車時と降車時にそれぞれのセンサーへタッチする仕組みとなっているのですが、乗務員が監視しているわけでもなくどうやって無賃乗車を防止しているのか謎です。
街中の信号機には路面電車専用の黄色い矢印灯が設置されており、西鉄電車と八幡の街並みを思い出しながら、少しノスタルジックな気分で乗車時間を楽しむことができました。

おすすめ:その2
みんな大好き宇都宮餃子 餃子通り、宇都宮餃子みんみん

宇都宮といえば、やはり餃子。市内中心部にある「餃子通り」は、全長約160mの短い通りに餃子専門店が立ち並ぶ、まさに餃子の聖地です。昭和30年代創業の老舗が多く、どこか懐かしい建物が続きます。2018年からは正式に「餃子通り」としてPRが始まり、観光スポットとしても注目度が急上昇。街灯が餃子の形をしていたり、電柱に貼り付いたリアルな餃子、餃子の暖簾やマンホールなど、遊び心あふれる仕掛けが満載です。なかでも人気なのが、横幅約3mの巨大な「GYOZA」モニュメント。撮影待ちの列ができるほどで、私も並んで記念撮影を楽しみました。


この日の昼食は「宇都宮みんみん 宮みらい店」へ。昭和33年創業の「宇都宮みんみん」は、餃子通りに本店を構える老舗ですが、宮みらい店はJR宇都宮駅東口再開発エリアの「ウツノミヤテラス」に誕生した新しい店舗です。真っ赤な入口が印象的で、店内は木材を多用した明るくモダンな空間。みんみん餃子は、キャベツとニラがたっぷり入ったあっさり系の餡を、やや厚めの皮で包んでいるのが特徴です。軽やかな味わいで胃もたれしにくく、「何皿でも食べられる」と言われるのも納得です。今回は、定番の焼き餃子と水餃子に加え、一木さんおすすめの「豆乳タンタンスープ餃子」を注文。水餃子のやわらかな食感、豆乳のまろやかな甘みとラー油の辛みのバランスが絶妙で、思わず唸るおいしさでした。このメニューは宮みらい店限定とのこと。駅直結なので、宇都宮に立ち寄った際はぜひ味わってみてください。


おすすめ:その3
宇都宮市民の台所、農産直売所「あぜみち」

地元の人たちに愛される農産直売所「あぜみち」。ここはまさに“宇都宮市民の台所”と呼ぶにふさわしい場所です。地元農家が毎日持ち込む新鮮な野菜や果物、手作り惣菜がずらりと並びます。店内は広く通路もゆったりしていて、買い物がしやすいのが特徴。商品には生産者名が明記されており、「誰が作ったか」が分かる安心感があります。 入口でまず目に飛び込んでくるのは、真っ赤に輝くイチゴ。栃木県は「いちご王国」として知られ、57年連続で生産量日本一を誇ります。「とちあいか」や「スカイベリー」など品種も豊富で、しかもお手頃価格なのが嬉しいところです。一木さんのイチ押しは、新里(にっさと)ネギ。宇都宮市新里町で江戸時代から受け継がれてきた、非常に珍しい在来種の「曲がりねぎ」です。柔らかく甘みが強く、鍋料理はもちろん、生でも辛味が少ないため薬味にも向いています。さらに珍しいのが、真岡市で栽培されている国産バナナ「とちおとこ」。『栃木のおとめに恋をした「とちおとこ」』というキャッチコピーも印象的です。一般のスーパーではほとんど見かけない希少品で、「あぜみち」でも7のつく日にしか入荷しないそう。香り高く、濃厚な甘みが楽しめました。
惣菜コーナーには、もちろん宇都宮の名店の冷凍餃子も並びます。宇都宮市民は餃子を買って帰り、自宅で焼いて楽しむのが定番スタイルだそう。栃木の郷土料理「しもつかれ」※もあり、地元の味覚を一度に楽しめます。宇都宮の“日常の豊かさ”に触れたい方は、ぜひ「あぜみち」に足を運んでみてください。
※栃木県を代表する郷土料理のひとつで、正月や節分の残り物を活用する“もったいない精神”から生まれた料理です。大根・人参を鬼おろしで粗くおろし、鮭の頭・大豆・酒粕・油揚げなどと煮込むのがベースで、それぞれの家ごとに味が引き継がれています。




おすすめ:その4
宇都宮の“心”街の歴史にふれる憩いの場所 宇都宮城址公園、二荒山神社

宇都宮の中心にありながら、静かで落ち着いた時間が流れる二荒山神社。約1,600年の歴史を持つ由緒ある神社で、宇都宮の街の成り立ちを語るうえで欠かせない存在です。大通りに面した大鳥居をくぐり、長い石段を上った先に広がる境内は、街中とは思えないほど厳かな空気に包まれています。小高い場所にあるため、境内からは現在の宇都宮の街並みを一望でき、昔と今が重なり合う景色を楽しむことができます。参拝後は、すぐ近くのオリオン通りやバンバ通りで買い物や食事を楽しむのが、地元の人たちの定番コースなのだそうです。
二荒山神社から徒歩約10分の場所にある宇都宮城址公園もぜひ立ち寄りたいスポットです。宇都宮城は戊辰戦争で焼けてしまったお城ですが、かつては城の遺構がほとんど残らず、活用されていない状態でしたが、「街の歴史を伝える場を残したい」という市民の声を受けて整備が進み、2007年に本丸の一部が再現されました。清明台や富士見櫓、土塁や堀の一部が復元され、散歩やランニング、芝生広場は市民の憩いの場として親しまれています。春の「宇都宮城桜まつり」、秋の「宇都宮城址まつり」、11月の「宇都宮餃子祭」など年間を通してイベントも多彩。観光の合間にも、ほっと一息つける場所です。


おすすめ:その5
一期一会のビールとの出会い 栃木マイクロブルワリー

栃木はクラフトビール王国と呼ばれるようです。一木さんが案内してくださったのは、世界でも一番小さいくらいなのでは?という小規模醸造所「栃木マイクロブルワリー」。地元産の原料を使い、少量多品種でビールを造り続けており、同じ味に二度と出会えない“一期一会”のビールが魅力です。訪れた日は、パッションフルーツとオレンジを使ったフルーツビール、ライトエール、チョコレート風味の黒ビールの3種類を味わいました。華やかな香りと、ホップの苦みが絶妙に調和し、ビール好きはもちろん、普段あまり飲まない人でも楽しめる味わいです。1杯600円からと手頃な価格も嬉しいポイント(アルコール度数が高いものは価格も上がります)。おつまみは持ち込み自由という気軽さも、この店ならではです。店内はカウンター4席、テーブル4席のこぢんまりとした空間。カウンター越しにはガラス越しに醸造設備を見ることができ、クラフトビール好きが自然と集まるアットホームな雰囲気です。今回は店主・横須賀さんのご厚意で、醸造設備も間近で見学させていただきました。通りに面した場所には100リットルのタンクが並び通りからも醸造所をうかがうことができます。この大きさのタンクでの製造・営業は国内でも珍しいそうです。週3回の仕込みで、年間約100種類ものビールを造っており、開業から1,000種類以上販売したとのこと。店内の壁には「飲んでみたい味」への投票ボードがあり、10票以上集まると仕込みが始まる仕組み。これからも新しいビールが次々と誕生しそうです。週末に開催されるビアガーデンにも、ぜひ足を運んでみたいと思いました。


おすすめ:その6
宇都宮のにぎわいが集まる「オリオン通り」、バカうまラーメン「花の季」

宇都宮の中心市街地を東西に貫くオリオン通りは、昔ながらのアーケード街です。飲食店やカフェ、雑貨店が立ち並び、昼と夜でまったく違う表情を見せてくれます。今回は夜に訪れましたが、近年は商店が居酒屋に変わってきているそうで、店前にも客席が並び、通り全体がにぎやかな雰囲気。福岡の屋台を思い出すような光景で、地方都市では珍しい活気を感じました。中心市街地がシャッター街になっていく中、こうした形の賑わいも一つの進化なのかもしれません。
締めくくりに一木さんが案内してくれたのは、宇都宮のラーメン好きなら知らない人はいない名店「自然派ラーメン 花の季」。その支店となる「ねぎぼうず」です。ここはラーメン屋兼居酒屋で地元の食材にこだわり、自家農園で育てた野菜を使うだけでなく、麺の小麦の一部も自家製という徹底ぶりです。席に着くと、まずは栃木の地酒が6種類味わえる飲み比べセットを注文。一人3種類ずつ、二人ですべてを味わいました。つまみはニラのおひたしとカブの塩昆布。栃木県は全国有数のニラの産地で、香りの良さが際立ちます。看板メニューは「バカうまラーメン」。豚・鶏ベースのスープに昆布やかつお節のだしを合わせたダブルスープは、コクがありながら後味はすっきり。ここにも、新里ネギが使われていました。旨みがじんわりと広がり、気づけば最後の一滴まで飲み干してしまう一杯です。地元客はもちろん、遠方から訪れるファンも多く、時間帯によっては行列ができることもあるそうです。宇都宮の“食の底力”を実感できる一軒です。



【編集後記】

筆者は20年以上前、栃木県に住んでおり、宇都宮へはショッピングなどでよく足を運んでいました。当時、二荒山神社周辺にはデパートが4社も立ち並び、餃子店のメニューも焼き餃子、水餃子、ライスのみというシンプルなものでした。それから20年。中心部のデパートの数は減ってしまいましたが、JR宇都宮駅東口の再開発、ライトラインの開通、郊外型商業施設の開発、宇都宮城址の整備、そして餃子通りがSNS映えスポットなどなど宇都宮の進化には目を見張るものがあります。歴史を大切にしながら、新しい挑戦を続ける街・宇都宮。次は腰を据えて、じっくりと滞在しながらこの街の魅力を味わいたい、そう思わせてくれる旅となりました。





 ご紹介したスポット一覧

1宇都宮ライトライン
お問い合わせ先:0570-011-177(平日9:00~17:30)
https://www.miyarail.co.jp/

2餃子通り:栃木県宇都宮市宮島町通り
TEL 028-678-8039(宇都宮観光コンベンション協会)
https://mediall.jp/food/9194

3宇都宮みんみん 宮みらい店
栃木県宇都宮市宮みらい1-1 ウツノミヤテラス2F
営業時間:11:00~20:30 (LO 20:00) 
定休日:不定休
TEL:028-651-6810
https://www.tochinavi.net/spot/home/?id=9466

4農産直売所あぜみち(駅東店)
栃木県宇都宮市中今泉2-10-23
営業時間 通常10:00-19:00
定休日:1/1-1/4以外は無休
TEL: 028-680-5031
https://minnano-azemichi.com/

5二荒山神社
栃木県宇都宮市馬場通り1-1-1
駐車場利用時間 : 8:00~21:00
TEL: 028-622-5271
http://futaarayamajinja.jp/

6宇都宮城址公園
開園時間 : 24時間(歴史建築物は9:00~19:00)
定休日:無休(年末年始除く)
TEL 028-632-2529(公園管理課)
https://www.utsunomiya-cvb.org/spot/detail_10010.html

7栃木マイクロブルワリー
営業時間 : 16:00頃~21:00
定休日:不定休(主に月曜日、火曜日、水曜日など)
TEL 028-622-1314
http://www.beatclub.jp/microb/

8オリオン通り
栃木県宇都宮市曲師町・江野町周辺
TEL:028-638-4030(宇都宮オリオン通り商店街振興組合)
https://www.utsunomiya-cvb.org/spot/detail_10030.html

9自然派ラーメン 花の季 ねぎぼうず
栃木県宇都宮市駅前通り3-1-2
営業時間 : 11:30~23:30(月)11:30~0:00(火~土)11:30~21:00(日)
TEL 028-612-2444
https://shizenhahananoki.com/








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