「出典:NHK総合ブラタモリ2024年10月7日放送10月14日放送」
https://www.nhk.jp/p/buratamori/ts/D8K46WY9MZ/episode/te/LJ5G7PQQ96/

10月7日(土)/14日(土)、NHK総合テレビで2週に渡って放送された『ブラタモリ』は、合体都市・北九州~合体メガタウン!北九州市誕生の秘密とは?~というテーマでの北九州の特集でした。今回の北九州編とても良かったですね、八高同窓生の間でも盛り上がりました。皆さんご覧になりましたか?

今月の知っとぉ?は、そんな「ブラタモリ」を振り返ってご紹介します。

タモリさんの案内人は、地元の郷土史家(北九州市の文化財を守る会)八幡高校22期の前園先輩が出演されました。前園先輩は、八幡高校時代郷土部の部長をされていたとの事。なるほど~と思わせる解説で分かりやすく、筆者の知らない面白い北九州市の歴史エピソードをとても楽しく拝見させていただきました。

北九州市は60年前“世界でもまれな”合併によって誕生!


門司小倉戸畑八幡若松とそれぞれ異なる都市の歴史と発展の背景がありながら、5市が対等合併によって合体メガタウンとなることは容易ではなかったでしょうね。
当ブログでも以前に北九州市は”西京市”になっていたかも?というエピソードはご紹介をしました。北九州市誕生の合併の秘密が、各地の都市の歴史背景が紐解かれていくぶらり街歩きでした。

いわれてみれば北九州は豊前と筑前2つの国に跨っている。 しかも、八高付近は国境の街


小倉城が西の防備を強固にするために、堀を何重にも構えていたことは知りませんでした。(大蔵川)板櫃川が豊前と筑前のかつての国境で、大蔵&清田の八幡高校の付近は、槻田の方は豊前、高見以西の方は筑前になるのでしょうか。同窓生の間でも、時々話し言葉で論争になる「~っちゃ」「~ばい」の使い分けのように、豊前と筑前の違いがら来るものはいまだにありますよね。確かに戸畑と小倉の境界は境川だったと思いますし、土木遺産の回でもご紹介した九州鉄道大蔵線の「両国橋」は、筑前&豊前を跨いでいたのかと改めて判りました。



黒田藩の大事業で石炭の街若松が誕生

若松の話も興味深かったです。黒田藩の遠賀川流域の水害対策として洞海湾に流した放水路、遠賀堀川の運河では、底の浅い船で石炭を運んでいました。その後、筑豊本線となる鉄道に切り替わり、若松の築港土木技術開発と共に石炭積出港として若松の港が栄えて行きました。筆者は若松の出身ですが、若松の住宅地にも鉱滓レンガ塀は、たしかにあちこちにありましたね。



筑前(旧黒田藩伐)の押しがなければ、八幡製鉄(八幡)はなかったかも?


世界遺産となった、八幡製鉄所の修繕工場

日本初の官営製鐵所の候補地は「門司」と「八幡」に絞られていたとは知りませんでした。しかも、 港の条件からして、ほぼ「門司」で決まりかけていたとの事。そこで、大どんでん返しになったそうですが、安川敬一郎(筑豊の炭鉱王)的野半介(政治家)金子堅太郎(官僚)黒田長成(華族)が政治的に動いての大どんでん返し。当時はまだ藩閥意識が強く、筑前黒田藩系列の人間が豊前ではなく、筑前にと!動いて、洞海湾を整備することを条件に八幡への誘致に成功。八幡村は人口1000人程だったのですが、20年間で10万人に増えて八幡市となりました。黒田藩の力が及ばなければ、八幡村のまま、また八幡高校も存在しなかった可能性が高いですね。


5市合併への原動力は「路面電車」、そして国境石


「出典:NH総合ブラタモリ2024年10月7日放送10月14日放送」
https://www.nhk.jp/p/buratamori/ts/D8K46WY9MZ/episode/te/KQ11J366QM/
八幡東区高見2丁目「国境石」

工場の動力が石炭から電力に変わるにつれ、電力の供給を路面電車の電力施設が担って行ったため、路面電車の沿線に工場が拡がっていったそうです。北九州市の合併は、そんな経済成長の中で市の境界が邪魔になった、ということですね。
八幡東区高見2丁目。製鉄官舎のあった住宅地に「従是西筑前国」と彫られた、福岡藩が国境に置いた国境石があるそうです。市の中心部に国境があるのは珍しいとのこと。八高はもともと高見槻田大蔵中央枝光の5中学区が始まりですが、八幡高校の通学区も今ではとても広くなり、豊前も筑前もエリアまで広く拡大されています。そのような将来は「**っちゃ」と「**バイ」の言葉使いも変わってくるのでしょうか?



という事で、八幡高校にも程近い場所のブラタモリのお話、由縁のあるエピソードで大変面白かったですね。見逃した方は、NHKアーカイブ、NHKプラス等でご覧いただけますので是非どうぞ!

【編集後記】
ちなみに、タモリさんが番組の中で、若松に「美味い天ぷら屋」があるとおっしゃっていたのは「丸窓天ぷら店」の事ですね。天ぷらといっても九州ながらの天ぷら屋さんです。昔ながらのお店が残っています。
https://tabelog.com/fukuoka/A4004/A400503/40042747/
今度の帰省の際には、番組の足跡をたどる、北九州の街歩きはいかがでしょう?




【関連リンク】
・NHKオンデマンドブラタモリ特集ページ
 https://www.nhk-ondemand.jp/share/campaign/buratamori.html
・NHKプラス
 https://plus.nhk.jp/
・ブラタモリ
 https://www.nhk.jp/p/buratamori/ts/D8K46WY9MZ/




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