古田靖二さん(高38期)


大学時代、果敢にタックルを決めた古田さん

Profile古田精二(ふるたせいじ)さん

1986年 八幡高校卒業(高38期)
1992年 慶応義塾大学経済学部卒業
三菱地所株式会社入社
2015年 函館三菱ふそう自動車販売株式会社入社
2018年 乾汽船株式会社入社
2019年 株式会社日本設計入社

大学卒業後は三菱地所に入社、営業職として23年勤務。その後、元上司だった人からの誘いを受け函館三菱ふそう自動車販売にて社長を約3年務めたのち、現在は日本設計でまちづくりを担当する。2012年迄、母校大学ラグビー部のコーチに就いていた。永犬丸中学出身。

2024年3月某日、オンラインにて、日本設計にてまちづくりに携わる古田靖二さんを取材しました。大学進学や就職にも影響を与え、その後の人生形成に欠かせないラグビーとの関わり方、また知識ゼロからはじめるラグビーの楽しみ方についてお話を伺いました。


【コラム】
-初心者のためのラグビー基礎知識-
2015年の南アフリカ戦勝利から2019年の日本でのワールドカップ開催・決勝トーナメント進出、その後2022年ジャパンラグビー・リーグワン開幕と人気が高まってきているラグビーですが、実はルールなどあまり知らないという方も多いのでは? 古田さんのお話の前に少しだけラグビーの基礎知識をご紹介します。

<概要>
イングランド中部のラグビーにあるラグビー校を発祥地とし、1チーム15人(13人制もある)ので2つのチームに分かれ行われるスポーツ。ボールは楕円形で、他の球技に比べると珍しい特徴がある。ヨーロッパばかりでなく、オセアニア、南アフリカ、アルゼンチンで人気の競技である。
ラン、パス、キックなどで前進し、タックルなどで防御してくる相手をかわして敵陣ゴールラインを超えたエリアにボールをつければ得点(トライ)となる。攻守は常に入れ替わる。試合時間は前後半各40分、計80分。

古田さんとラグビーの関わり

ラグビーとの出会いについて教えてください。

ラグビーとの出会いは八高時代です。とはいえ、入学時は部活に入るのさえ迷って、色んな部活勧誘の先輩から逃げ回っていましたが、なぜかラグビー部の先輩に捕まり、「きついのが嫌なら、仕方ないね」と言われたことがきっかけで黒崎小、永犬丸中と6年間サッカーで頑張ってきたという大したこともないプライドに火が付いてしまい、そのまま練習に参加することに。気がつくと高校時代はラグビー一色になっていました。八高ラグビー部のOBには蒼々たる先輩がいて、中でも慶應から新日鉄八幡に進み、日本代表級を長く務められた荒牧滋美(ますみ)さん(たぶん27期)はカッコよかった。慶應に一瞬憧れたものの、ラグビー漬けで勉強と無縁な当時の私にとっては天文学的な偏差値に気付いて、すぐに頭の隅に追いやりました。引退後にようやく受験勉強をはじめ、現役で九州工業大学を受験しますが、撃沈。再び慶應への憧れが湧き上がり、親に土下座し福岡・香椎の代ゼミの寮(1期生)に入って一浪後、慶應大学経済学部に合格しました。



その後は、ラグビーは古田さんにどんな影響を与えたのですか?

慶應のラグビー部では合宿所生活で高校以上にラグビー漬けの日々。練習は想像を遥かに超えるキツさでしたがどうにか耐え続け、小柄で不器用ながら4年の早慶戦はリザーブ(ベンチ入り)で途中出場、初秩父宮※が叶いました。試合は完敗でしたが、帰省後にみんなから「おめでとう」いう言葉をもらい「もう1年頑張ろう」と、5年目でレギュラーを獲得しました(笑)。卒業後はラグビー部の先輩からの誘いで三菱地所に就職します。仕事では「近隣対策」「地権者対応」「業者間ネットワーク」を得意技に自分らしさを発揮。ラグビー時代に培った諦めない気持ちや調整力が役に立ちました。47歳で23年間勤めた三菱地所を退社し、函館で約3年間ディーラーの社長を務めた後、50歳で日本設計に入社しました。現在の仕事は「開発コンサル」「まちづくり」で、特にリノベーションを中心に既存ストックを活かしたバリューアップをメインとしており、ここでも持ち前の泥臭い調整力が活きています。それなりに苦労もしてきたのでこれからは安定した人生を過ごしたい気持ちもありますが、染みついたラガーマン気質=面倒なことを進んで引き受けてしまうのは変わらず。今でも大学ラグビー関係であれやこれや声掛けられ・・・あまたの八高ラグビー部の諸先輩後輩方を前に大変恐縮ではありますが、やはり私の人生を語るにはラグビーは欠かせないようです。お陰様で。

※秩父宮ラグビー場。ラグビーの国際試合、日本選手権、トップリーグ、大学選手権、関東大学対抗戦/ リーグ戦などに利用される日本ラグビーの聖地。

生粋のラガーマンが語る、ラグビーの楽しみ方

初心者でもわかりやすいラグビー観戦の楽しみ方を教えてください。


どうしてもボールを持った「攻撃側」を見てしまいがちですが、ボールを持っていない選手たちの動きも面白いんです。よーく見ると後ろの方で守っている選手が次のプレーに向けて何か仕掛けていたり。「次、この人は何をやるんだろう?」と想像しながら見ているとラグビーの奥深さ面白さを感じられるのではないでしょうか?ルールを知ればさらに面白いですが、大男たちが必死になって鬼ごっこ+陣取り合戦をしていると言う感覚で観戦すると、なんだか親しみを感じるかもしれません。タックルした選手がいつまでも寝ていると(=相手側の球出しの邪魔になるところにいると判定されると)すぐ「ノットロールアウェイ」というペナルティが課されますので、慌てて逃げ出そうとしているところや、タックルされた選手が「ジャッカル」されないように、また「ノットリリースザボール」というペナルティを取られないように瞬時に身をよじりながら味方側にボールを残す(置きにいく)ところなど、細かい選手の動きにも注目していたら十分楽しめます。さらに興味が沸いたら、ぜひラグビー場に足を運び生で観戦するのをおすすめします。選手同士がぶつかり合う音は迫力満点です。最初はビックリするかもしれませんが、テレビでは経験できない臨場感を味わえます。ポジションが多様なので、選手の個性も多種多様。身長の高い人低い人、足の速い人、超マッチョな人など、様々な個性が見つかります。推しの選手を見つけて応援するとより楽しめると思います。

そして、ラグビーの魅力はなんといってもその精神。みなさんも「ノーサイド」と言う言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?日本では「試合終了」の合図ですが、試合が終了すれば、敵と味方、勝者と敗者の区別はなくなり、お互いの健闘を讃えようというメッセージでもあります。私自身学生時代、試合直後にアフターファンクションという敵味方なく飲む場があったのですが、結構何十年も経った今でも、古い敵チームの仲間らと一緒に飲む機会など結構あって、こりゃあ死ぬまで続くんだなという覚悟をしています(笑)。また実は世界的な話なのですが試合後の飲み会で、なぜか不思議なルールがあるんです。「バッファロー」というルールなのですが、必ずグラスを左手で持たなければならないというもの。なぜだと思います?右手は握手をするために空けておかなければならなくて、右手でグラスを持っているのを見つけられると「バッファロー」と指摘され、一気に飲まなければならない。今でもやっているのかは謎ですが・・・。
そうした背景も想像しながら「紳士のスポーツ」ラグビーを楽しんでもらいたいですね。

貴重なお話ありがとうございました。




墨田区「情報経営イノベーション専門職大学(久米ゼミ)」で教鞭をとる!?

【編集後記】

  • 古田さんの自慢:高38期の当番期のゲストは八高出身で2003、2007年のラグビーワールドカップで日本代表の主将を務めた(全48試合出場中、45試合が主将だったため「ミスター・キャプテン」と呼ばれており、また「世界選抜」の経験もある!)高46期の箕内拓郎氏。古田さんが箕内さんを知っているのは当然ですが、箕内さん自身も古田さんを八高のラグビー部OBとして認識していた!と知人から聞いて誇らしく思ったとか。
  • サービス精神旺盛な古田さん。事前のアンケートにびっしりと、八高のOBとの実名入りエピソードを書いていただきました。残念ながら全部お伝えできずすみません。
  • 古田さんは真面目な顔をしていても面白キャラ。当番期は「八高ファイト」の音頭を取られたのですが、なぜか会場から笑いがあふれていました。
  • 今回のZOOM取材中、古田さんを推薦してくださった高38期の辰川さんが耳だけ参加。時々電車の音が聞こえたり、メッセージを送って「参加アピール」していたのが面白かったです。

 

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