辰川正浩さん(高38期)


Profile辰川正浩さん

1986年 八幡高校卒業(高38期)
1991年 殖産住宅相互株式会社入社
2001年 中海岸神輿保存会で活動開始(茅ヶ崎市在住は1996年より)
2004年 スウェーデンハウス株式会社入社

大学卒業後は殖産住宅相互株式会社に入社。積算業務を経験後、住宅設計に携わる。その後、スウェーデンハウス(株)で設計として14年間勤め、現在は本社開発部に所属。茅ヶ崎市へは結婚後に移住し、神輿保存会をはじめ、地域と人・人と人を繋げる活動を積極的に行っている。熊西中学出身。


2019年3月某日、茅ヶ崎サザンビーチにて、中海岸神輿保存会(茅ヶ崎市)などの様々な地域活動を行う辰川正浩さんを取材しました。地域振興や人と人と繋げる活動を通しての新しい自分発見「自分探し」の楽しみ方についてお話を伺いました。


茅ヶ崎市での地域活動に参加するきっかけを教えてください

まずは、これまでどんな人生を歩んできたのですか?

高校時代はラグビー三昧ながらも、先輩や仲間に恵まれながら、割とヤンチャな高校生活を過ごしました。当然勉強は・・・で、県内の私大文系をいくつか受験しましたが、現役ではすべて撃沈し、予備校に真剣に通うことになります。そして、そこで初めて「自分がやりたいことはなんだ?」って考えて、絵を描くことや間取りを見ることが好きだったことを思い出し、「設計士になりたい!」と無謀にも予備校から国立理系に転向しました。1浪後、志望大は全滅。二次募集のあった福岡の私大の建築学専攻に進学し、卒業後、殖産住宅に入社しました。入社して6年は積算部門に所属していましたが、やっぱり設計をやりたくなって、我慢できず常務に直談判したところ、即、設計部に異動になりました。ところがその2年後に会社は経営破綻して、2ヵ月ほど路頭に迷うことになります。しかし、殖産時代の先輩に声をかけられ、ホーメスト※に入社しました。そこで2年ほど勤めた後、スウェーデンハウスに転職しました。ずっと設計を担当して来ましたが、昨年から本社開発部に所属しています。
※経営破綻した殖産住宅の住宅建築事業を(株)ペイントハウスが買収し、(株)ホーメストを設立。


茅ヶ崎との出会い、地域活動に参加したきっかけは?

サザンを聞いて育った世代なので、茅ヶ崎への憧れはもともとありました。茅ヶ崎に住むことを決定付けたのは、通勤途中の電車の行先が「茅ヶ崎」で、毎日のように見ていたことです。毎日眺めているうちに「ここに住めたらいいなあ」と思うようになって。海にはよく遊びに行ってたのですが、「ふらっと海に行ける家に住みたい!」と、結婚を機に茅ヶ崎に引っ越しました。そんなこんなで暮らし始めたので茅ヶ崎への愛着もさらに強くなり、「この町の人になりたい」と思うと同時に「子どもにとっての故郷になるんだ!」という思いから、町に根付く活動をしたいと考えるようになっていました。そして、思い浮かんだのが神社・祭り。元々父が神官をしていた事、また元来の祭り好きということもあって、神社・祭りに関わる活動から入ろうと思いはじめた頃、地元のお祭りの時、中海岸神輿保存会に誘われ参加しました。


「大人の神輿をやりたい」思いが、輪を広げた

具体的にはどんな活動を?

神輿での活動は、毎年海の日に行われる茅ヶ崎の「浜降祭(はまおりさい)」※が最大のイベントです。浜降祭には茅ヶ崎市と寒川町の各神社から、大小合わせて約40基の神輿が集まるのですが、中海岸神社は当初子ども神輿を大人がフォローする形での参加でした。保存会の中では大人の神輿もやりたいと気持ちがあって、「仲間をもっと集めないと」といった話がよく出ていました。私も何か貢献したいと思うものの、自分は平日休みで祭り当日にしか来られない状況で、自分に出来ることを探しあぐねていたところ、あるとき、「たっちゃん、平日会やってみたら?」と提案されることになります。あー、なるほど!平日休みは私だけじゃないと気づき、商店主・自営・主婦をはじめとした地元の人との飲み会や釣り、バーベキューなどのイベントを企画・主催する平日会で人を集める役目を頂きました。頑張った甲斐あって、2010年に大人神輿は無事実現し、今も続いています。
※海の日に行なわれる神奈川県茅ヶ崎市西浜海岸の祭りで甚句とともにどっこい担ぎで渡御、巡行される。


「神輿保存会」の活動をやってみてよかったことは?

人を集めて喜んでもらうことに私も喜びを感じられたことが一番ですね。そして、それが自分の好きな事だと気付いたことも。思えば、家を設計することも飲み会を主催することもすべて「人の喜ぶ顔が見たいから」で、この先も人と人とを繋げて、笑顔を拡げることをライフワークとしていこうと、新しい人生の方向が見えました。関東総会の実行委員長になったこともその流れでした。また、最近ではそのつながりの先で出会った新しい仲間たちとレイキ・ヒーリング、合気道、自然食、断食、薬膳、中医学など、心と体の健康に携わるいろいろなことを学び、自分の世界も広がったことも大きな財産になりました。あ、釣りを通じて魚のさばき方や料理もうまくなりましたよ。これは一生ものですかね?(笑)


辰川さんのこれからの夢について教えてください

今後の活動はどう続けられる予定ですか?

神輿保存会での活動は今でも続けていますが、今は「自然に生きる。自然に戻る」生き方を目指しながら、自分の出来る事、世の中で本当に役に立てることを模索しています。元々日本にあった、自然の中で自然とともに生きる知恵を取り戻し、その人それぞれが楽しく生きる、そんな場所「自然と癒しと学びのコミュニティハウス」を作ることを目指しています。地域の人たちが気軽に集まれてそれぞれが出来る事をして、楽しみながら癒されるそんなコミュニティハウスを作りたいですね。例えばお年寄りが小さい子の面倒を見たり、一緒にごはんを作ったり食べたりを目指しています。子育てで大変なお母さん達に寄り添えるような場所になれたらいいな。大人も子供も、年齢や性別を超えてくつろげる「もう一つの我が家」のような場所を目指しています。とはいえ、私もまだまだこれからです。私があの時、ふと、そう思ったように、仕事以外の心から本当に楽しめる事、心から本当にやってみたい事、そこに一歩踏み出した勇気、ここからだったと思います。私もあの時そうだったように、今疲れ切っている方、働きづくめの方、生きる目的が見えなくなった方々、いろいろあると思います。まず、どんな事でもいい、心から楽しめる事の一歩から、ぜひ始めましょう。これからまだまだ永い人生、またいつ終わってしまうかもわからない人生。一度しかない人生、せっかくの人生を笑顔で楽しめるように・・・。


興味深いお話を本当にありがとうございました。




【編集後記】

  • 皆に笑顔を広げたいという辰川さん自身の笑顔も素敵。久保カメラマンがいい表情を捉えてくれました。

  • 「笑顔になれる年賀状づくり」も人に喜んでもらう活動の一つ。企画・撮影・制作の一人三役で作っているそうです。皆さんに大好評で、出せなかった年は「今年はこないの?」と催促があったとか。

  • 地域交流を通じておいしいお店もたくさんご存じです。茅ヶ崎の人気店「モキチフーズガーデン」のオーナーで、湘南地ビールの社長(右から2番目)も、家族ぐるみの友人だそうです。

 

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