住んでいるから知っている、ホントにいい場所、いいお店。
住みたい街ランキングの上位に常に位置する吉祥寺とカルチャーの宝庫・荻窪に挟まれたJR中央線沿線のエアポケット「西荻窪」。実は今、1番注目の街のひとつと言われています。「にしおぎ」の愛称で親しまれている西荻窪には、昭和レトロの雰囲気漂う商店が多く、昔ながらの街並みが広がっています。一方、古民家カフェやアンティークな雑貨屋さんなどセンスの良いおしゃれで個性的なお店が集まって来て、古き良き時代と新しい文化がうまくミックスされた温もりがある新鮮な街として、中央線の中でも人気の街の一つとなりつつあります。
無限の魅力が詰まった「にしおぎ」を同窓生と歩きます。
【案内人】高15期 平 節さん
西荻窪に住むことになったのは、結婚した主人の実家が西荻窪にあり、その敷地内に家を建てて住んだからで、以来約45年になります。
私にとって西荻窪は、少しばかり馴染みのある土地でした。学生時代に中野の福岡県女子学生寮に住んでいたのですが、同室の方が西荻窪にある東京女子大でしたので、大学祭などで遊びに行ったり、社会人になってからも同僚が西荻だったりで、見知らぬ街ということはありませんでした。自分が住むことになり、嬉しく思いました。落着いていて、交通の便も良く、自分に合った土地として満足しています。
- その1:思わず立ち止まってしまう「西荻窪アンティークめぐりと時代を超えたお店」
- その2:古民家レストラン「りげんどう」でいただく和の御膳
- その3:感動的なホームメードソーセージ「FRANKFURT(フランクフルト)」
- その4:西荻昼呑みの定番「やきとり戎」
【平さんのおすすめスポット・西荻窪】
思わず立ち止まってしまう「西荻窪アンティークめぐりと時代を超えたお店」
西荻窪駅周辺には実に60店以上のアンティークショップや雑貨店が軒を連ねています。北口の「骨董通り」には、古時計や和ガラスなどの生活骨董を取り扱っている「トライフル」、古道具を取り扱っている「慈光」などのお店が軒を連ね、お店独特の雰囲気や品物を楽しむことができます。南口には、平さんおすすめの「BOWKNOT」。ボウノットは蝶結びと言う意味で、プレゼントにかけたリボンや人と人との素敵な結びつきを大切にする意味を込めてお店の名前にしたそうです。アンティークジュエリーやすてきなアクセサリー、レースや小物であふれるお店です。仕入れも海外でするなど、1点モノが多いこだわりのジュエリー屋さんです。
さてもうひとつ、西荻文化を語る上で忘れてはいけないのが「こけし屋」。こけし屋の二階は、中央線沿線の有名無名の文化人が集まる文化人サロンとなっていたそうです。そのなかには、田川水泡、井伏鱒二、・・・そして松本清張。物凄い顔ぶれですね。松本清張は「決まって昼頃やって来てはカレーやシチューを黙々と食べ、夕方まで原稿を書いて過ごす」のが常だったそうです。
皆さんも西荻窪で、時間の積み重ねにより深みを持っていくモノたちや西荻ならではのお店との出会いを探しに行きませんか?
古民家レストラン「りげんどう」でいただく和の御膳
喧騒感あふれる商店街を抜けた路地裏にひっそりと佇む古民家「りげんどう」。昭和初期に建てられた黒塗りの板塀が目を引く趣のある佇まいです。店内もガラス戸や建具はそのまま残し、懐かしさ溢れる空間を演出しています。ランチメニューは“手のひらの料理”がコンセプトの「にぎり膳」と「むすび膳」の2種類。献立は毎月変わり、その季節ならではの旬の食材を使うことにこだわって提供されています。この日の「にぎり膳」は、見た目もかわいらしい一口サイズの野菜寿司が5貫、季節の小鉢が4品と味噌汁・自家製ぬか漬け。「むすび膳」は、蕗味噌のローストポークと小鉢が3品。土鍋でふっくらと炊いたおむすびに海苔を巻いて手でいただくと、なんて美味しく感じるんでしょう。一品一品愛情を込めて、手のひらで丁寧に作られた和の食事。都内にいながら、ここだけ時間が止まったようなゆったりとした時間が過ごせます。(今回は、平さんの同期の馬場さんにもご同行していただきました)
感動的なホームメードソーセージ「FRANKFURT(フランクフルト)」
西荻窪駅の高架下にお店を開いている「FRANKFURT(フランクフルト)」。こぢんまりとした店内に入るとそこにはソーセージ、ハム、サラミなどがズラリ。平さんのイチオシが、牛肉だけで作られた「ホンモノ」のコンビーフ。コンビーフといえば缶詰しか知らない方、けっこう多いんじゃないでしょうか。フランクフルトのコンビーフはいままでのイメージを覆すコンビーフです。お肉の味がちゃんとして、サラッとして脂っこくなく、それでいてふんわりとした食感です。今まで食べていたコンビーフは何だったのだろうと思ってしまうぐらいに感動的なおいしさです。そして、お店の片隅にほんの少し置かれているパンもおいしい!!中でも、いろいろな種類のソーセージやハムを刻んだスペシャルドッグは、その人気の高さから、あっという間に売り切れてしまいます。
今回、お土産に買って帰ったコンビーフを、サンドイッチ用にカットしたパンにレタスとマヨネーズと一緒にはさんで作ったコンビーフサンドは絶品でした。オンラインショップもあるので、お取り寄せもできます。
西荻昼呑みの定番「やきとり戎」
平さんが長年西荻窪に住んでいて、駅前を通るたびにと~っても気になっていたお店が「やきとり戎」。おふたりとも、このような路地裏のやきとり屋には一度も入ったことがないということだったので、是非にとお伴しました。お店に入ったのは15時過ぎ、なのに既に陽気な人達で店内満席。13時から呑める西荻のランドマーク的なお店です。忙しそうに走り回る店員さん、注文を伝えるタイミングもなかなか大変です。昼飲みにしては多すぎるメニュー、目移りしてしまうほどどれも気になる。でもやっぱり、裏路地やきとり屋デビューのお二人には、定番のタン、かわ、もも、そして脂の乗った豚バラを注文。お肉は通常よりもやや大きめ、タレはあっさり目、全体的にしっかり焼かれた焦げまでおいしいヤキトリです。雑多な店構えからして怪しげで最初はとまどっていたおふたりですが、最高の味にご堪能いただけたようです。帰りには、ご家族のためにお持ち帰りを注文されていました。赤い看板が目に染みる情緒たっぷりのお店で一杯いかがでしょう。
【編集後記】
今回、西荻窪を案内していただいた平さんのご趣味は「洋風磁器上絵付け」です。いや趣味と言うより、その腕前はプロレベル。実際に教室を開いて教えていらっしゃるそうです。お庭に専用の電気窯を据え付け、多種多彩な上絵の具で描いて焼き上げた色彩鮮やかな器は、まさに世界で一つだけの器でした。是非とも、同窓生を相手に講師となって講座を開いていただければと思いました。
回ったスポットの住所や営業時間やURL
1GALLERY BOWKNOT(ボウノット)
杉並区松庵3丁目37-21
TEL:03-6795-5505
営業時間:12:00~19:00
定休日:月曜日・火曜日
https://ameblo.jp/bowknot/
2洋菓子とフランス料理「こけし屋」
杉並区西荻南3-14-6
TEL:03-3334-5111
営業時間:本館 9:00~21:00、別館 11:00~20:00(L.O.)、レストラン 11:00~14:00、17:00~20:00(L.O.)
定休日:毎週火曜日(祝日を除く)
http://www.kokeshiya.com/
3古民家レストラン「りげんどう」
杉並区松庵3-38-20
TEL:03-5941-8664
営業時間:11:00~18:00、ランチ11:00~14:30(L.O)
定休日:火曜日(祝日は営業)
https://www.gungendo.co.jp/pages/details/003102.php
4ホームメードソーセージ「FRANKFURT(フランクフルト)」
杉並区西荻南3-24-1 西荻マイロード内
TEL:03-3395-7766
営業時間:10:00~19:00(祝日は~18:00)
定休日:日曜日
https://frankfurt.jp/
5やきとり「戎」
杉並区西荻南3-11-5
TEL:03-3332-2955
営業時間:月~木13:00~22:30、金・土13:00~23:30、日13:00~21:30
定休日:無休
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131907/13000711/
https://twitter.com/yebisu_nishis