野口かほりさん(高39期)


Profile野口かほりさん

1987年3月 八幡高校卒業(高39期)
1989年3月 大阪デザイナー学院(インテリアデザイン科)卒業
大阪の店舗設計や厨房設計会社に勤務。
2001年 ご主人の転勤で東京へ(途中1年間岩手に転勤)
ご本人も仕事(営業職・事務職)と子育てを両立。
2020年 ヨーグルトメーカーを購入し、手軽にできる発酵食品の魅力を発見。様々な発酵食品を作っていくうちに、素材への興味も強くなり、自家製酵母や野菜作りへも手を伸ばしている。

八高卒業後は大阪デザイナー学院インテリアデザイン科に進学。卒業後は東京で店舗設計や厨房設計を行う会社に勤務し、店舗の看板やロゴのデザイン、外観のパース等の制作に携わる。結婚後に2001年にご主人の転勤で東京に移転。子育てを優先しつつも営業職・事務職などでワーキングマザーとして活躍。2020年、健康な食生活を目指して、ヨーグルトをはじめ様々な発酵食品をづくりをスタート。突き詰めていくうちに次第に好奇心や行動範囲も拡大し、今では酵母や野菜も自家製で作るまでに。本城中学出身。



2021年5月某日、コロナ禍でも発酵食品づくりで「毎日が充実!さらに発酵食品づくりをきっかけに、思考の幅や行動範囲も広がった」という野口かほりさんを取材しました(オンライン)。発酵生活の魅力、ご自身や周辺の変化についてお話を伺いました。


野口さんのお話の前に。発酵食品基礎知識

発酵食品とは、空気中に漂う微生物の働きで発酵された食材を、加工したものです。日本では味噌や醤油、納豆、漬物、鰹節(枯節)が代表的なもので、欧米から伝わったものではワイン、チーズ、ヨーグルトなどがお馴染みです。その歴史は古く、人間が地球で暮らし始めたころから存在していたと言われており、人間の知恵が集結された優れた保存食品でもあります。数年前からは、健康や美容のためには腸内環境を整える”腸活”が大切という認識が広まり、腸内の善玉菌を増加させる発酵食品の長期的なブームが続いています。そして、コロナ禍の今、「免疫力アップ」や「病気予防」への効果が期待される発酵食品への注目度はますます高まっています。また、おうち時間が増えたことで、ヨーグルトや味噌、塩麹などを自宅で手作りをする人も増加。多機能炊飯器やホームベーカリーなどの”ほったらかし調理家電”の進化・充実も、ブームの盛り上がりに一役買っているようです。


野口さん流発酵生活とは?


―ヨーグルトや甘酒の他、パンの発酵も。ヨーグルトメーカーをフル活用しています―

発酵生活を始めたきっかけは?

最初の入口は、ダイエットです(笑)。年齢を重ねて、体型の変化が気になっていたのですが、若い頃のように、ただ食べる量を減らしたり、●●だけを食べるダイエットは厳しいと思っていました。年齢に合ったダイエット法を一通り探った結果、腸内環境を整える食生活と適度な運動が一番いいという結論になったんです。まずはヨーグルトを食べることから始めようと思ったのですが、我が家には乳製品を毎日食べる習慣がなくて・・・。スーパーで買って常備するのも自分で作るのも私にとっては手間は同じで、友人のすすめもあったことから2020年4月にヨーグルトメーカーを購入しました。ネットで数千円で買えることもあり、買うことにあまり迷いはなかったですね。使ってみると、ヨーグルト以外にもいろいろな作れることにビックリ。商品に付いていたレシピを見て、甘酒、塩麹(醤油麹、玉ねぎ麹)、納豆、鶏ハムなど一通り作っていくうちに面白くなって、気がつくとすっかり夢中になっていました。それがきっかけになり、しばらくお休みしていた趣味のパン作りも復活しました。材料を入れてタイマーをセットするだけという手軽さも魅力でした。


1年経ってどのような変化がありましたか?続いた理由は?何が一番面白いですか?

正直、劇的な変化はありません。ただ、「なんとなく調子はいい」感じですね。体調面より、むしろ精神面へのプラス効果が大きいと思っています。先ほども言ったように、材料を入れてセットするだけで出来上がり時間が見えているので、1日のスケジュールが組みやすいんです。例えば、出勤前にセットして帰って来たときにできているようなものなら、毎日作ることができます。休日の場合でも、ヨーグルトメーカーが働いている間の時間は有効に使えてしかも一つ作品(?)が完成するので達成感があります。発酵食品づくりをスケジュールの中心に置くようになって時間の管理が上手になったと思っています。作るのが楽しくて次から次へと作って、食べきれないときはお友達にあげているのですが、無添加はもちろん素材にも気を使っているので、自信を持ってすすめられますし、喜んでもらえる。作るサイクルはどんどん上がり、”もっといいものを作りたい”とどんどん欲が出てきて・・・。例えば、自家製酵母(天然酵母)でパンを作ったり、畑の一画をお借りして自然栽培農法で野菜作りをしたり、ブログまで始めちゃいました。自分自身のキャパシティがグーンと広がっていることを実感して、毎日が好循環でまわっている気がしています。


次に作ってみたいものは?これから発酵食品にチャレンジしたい人へのおすすめは?


―自家製のパンと野菜。作るのが楽しいだけでなく、作ったものは本当に愛おしいそうです―

発酵あんこに惹かれています。小豆と水と麹だけで砂糖を使わずにできるらしいんです。甘酒の経験から想像するに十分な甘さになるはずなので、近々、自家製の発酵あんこであんパンを作ってみたいと思っています。味も優しく身体にも優しい、夢のようなあんパンになると思いませんか?
最初に作るなら、甘酒がおすすめです。甘酒は「飲む美容液」と言われるほど栄養価が高いですし、何よりもおいしい。誰にあげても喜ばれます。また、発酵食品づくりはシンプルですがなかなか奥が深いのもおすすめな点です。材料の組み合わせや、温度や湿度によって出来上がりが微妙に違ってくるので、自分好みの味を求めて、時間や量を加減する試行錯誤も面白いです。料理が得意でない方でも楽しめると思いますよ。皆さんも、一緒に発酵生活始めませんか?そして発酵について語りませんか?


楽しいお話を本当にありがとうございました。



【編集後記】

  • パン作りの師匠は村上祥子さん?不思議なご縁があった村上祥子さんとのエピソード
    野口さんのライフワークの一つであるパン作り。きっかけは結婚後に引っ越した今のお住まいに備え付けのガスオーブンがあり、パンを焼いてみようと思ったことだそうです。その時の教科書となったのが、ご主人のお母様から贈られた八高の大先輩である村上祥子さんの本。生地の発酵を電子レンジで促進するアイデアに感銘し、子育てとお仕事を両立して時間がなくてもパン作りを楽しめたそう。2009年にご主人の転勤で1年間東京を離れたことでパン作りはしばらくお休みしていましたが、当番期で村上祥子さんが八高の先輩と知ることになります。楽しかった当時の思い出が蘇り、お礼を言いたい気持ちから総会のゲストに迎えたいと思ったそうです。そして、パン作りも復活しました。
  • インタビューをきっかけに、35期の岩下さんご夫妻ともご縁が
    畑をお借りしている方が古民家のオーナーでもあることから、古民家に興味を持ち始めた野口さん。いろいろ勉強してみたいけれど、何からはじめたらいいかわからなかったそうです。今回のインタビューを通じて、2月号の「この人」にご登場いただいた岩下さん(古民家活用推進協会代表)についてと奥様が村上先生のスタッフだったことをお話したところ、ぜひお会いしたいと言う話になり、岩下夫妻と野口さんのZOOM呑み会が実現しました。八高のご縁はスゴイ!

 

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